表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/41

第二十八話

天文七年 (一五三八年) 三月 播磨国 飾東郡 御着城 小寺氏館


 「これより論功行賞を行う。...一等功賞は山本勘助だ。前に。」


「はっ!」


「お主が小寺包囲網を冷静に対処したお陰で我等は大勝する事が出来た。この功を持って三千石から一万石に加増する。その他にも金、五百貫を与るそれに加えてお主を家老に任じる。」


「はっ。有り難き幸せに御座います!これからも小寺家に誠心誠意仕えまする。」


 勘助が泣きそうな顔をしている。そんな顔をされたら俺も泣きそうになるだろう。


 その後論功行賞は問題無く進んだ。

 結果としては、重隆が五千石から一万石に加藤が三千石から八千石になった。


 


天文七年 (一五三八年) 四月 播磨国 飾東郡 御着城 小寺氏館


 前回の戦(加古川の戦い)から一ヶ月が経った。

 あれから赤松氏、三木氏、明石氏、別所氏が支配していた佐用郡、赤穂郡、印南郡、加古郡、明石郡、賀茂郡、多可郡、美嚢郡を得る事が出来た。石高にして二十九万石だ。それに加えて神崎郡を支配していた櫛橋氏が臣従して来た。

 

 これで播磨統一だ。石高にして五十二万石になる。兵力にしたら一万五千六百だ。


 もう弱小勢力では無い、立派な大名だ。これから播磨だけで無く全国に目を向けなければなら無い。それを話し合う為に俺の側近である勘助と重隆そして橘賀衆を率いる百地丹波と与右衛門を呼んだ。


「揃ったな。...では今からこれからの戦略もとい目標について話し合う。」


「これからの戦略ですか。それはどれ位の期間ですか?」


 そう聞いて来たのは勘助だ。


「そうだな...五年だ。」


 全員が考え出し沈黙が出来た。

 その沈黙を破ったのは与右衛門だ。


「今ある情報を交換しては如何ですか?」


「確かにそうだな。何か他国の情報を持っている者は居るか?」


 声を上げたのは与右衛門だ。


「そうですねぇ、...三好長慶様が細川晴元様と対立し始めているそうです。」


「どう言うことだ?」


「はい、どうやら三好長慶様が細川晴元様に摂津にある堺の代官に任命してくれと頼んだようですが拒否された為、仲が悪くなっているとか。」


「なるほど。他に何かあるか。」


 そう聞くと百地丹波が声を上げた。


「はい、あります。どうやら尼子は大内との戦が激化している様で、我らにめを向けている暇は無いかと。」


「ほう。大内と尼子の戦が激化しているのか。

これなら大内と同盟を組んで尼子を攻めるのも良いな。」


「殿、尼子は腐っても大国ですから骨が折れます。なのでまず、大物崩れで力を失った浦上家を攻めるのは如何ですか?」


「浦上か。ありだな。確か今でも備前の半分を領している筈だ。攻めとっても美味しいだろう。それに祖父の仇と言って攻めれば良い。...うむ、次は浦上を攻めるか。反対の者は居らんか?遠慮は要らんぞ。...居ない様だな。ではこれで決定する。」


「はっ。」


「ではいつ浦上を攻める?」


「農繁期である四月から五月ではどうでしょう?」


 そう発言したのは重隆だ。


「ふむ、確かに我等の兵の殆どは常備兵だ。それが最も有利に働く農繁期に攻めるのは賛成だ。では、一ヶ月は内政をしたいから五月にしよう。他の家臣達にも伝えておいてくれ。」


「「御意。」」

「「はっ。」」


 と言う二つの返事を聞いてから部屋を出た。





読んでくださり有難うございます!

評価やブックマークをして頂けると投稿ペースを上がるかもしれないのでつけて頂けると幸いです。

評価は⭐︎マークからできます。

感想やレビューを頂けると嬉しいです。

最後に今後も応援した貰えると助かります!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ