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第二十ニ話

天文六年 (一五三七年) 六月 伊賀国 伊賀 忍者の里 百地丹波


 見回りの者から望月殿の紹介状を持っていた男を連れて来ると報告が来た。

 

 望月殿とは仕事で何度も組んでいる旧知の友だ、その紹介状があるのだ、会おう。

 

 今、上忍は儂しかおらんから儂が相手をする事になるだろうが。


 紹介状を持った男が来た。


「そなたが望月殿の紹介状を持って来た客人ですか。」  


「はい、そうです。山脇六郎左衛門と申します。」


「なるほど、儂は上忍三家のひとつである百地家の当主百地丹波と言う者です。それで、儂らを雇いたいのですか?」


 さて、どんな仕事が来るやら。


「いえ、雇うのでは無く召し抱えたいのです。」


 儂らを雇うのでは無く、召し抱えたいか。

 この案件は儂一人では決められぬ。

 

 夜には他の上忍も帰って来よう。

 山脇殿には、今日は泊まって貰って、明日返事を言おう。


「ふむ、他の上忍と、話し合いをしたいので今日は泊まって行って下さい。明日、返事を出します。」



天文六年 (一五三七年) 六月 伊賀国 伊賀 忍者の里 百地丹波


「遅くなった。」


そう言って服部半蔵が部屋に入って来た。


「これで全員揃ったな。聞いているとは思うが、儂らを召し抱えたいと言う者が現れた。」


「俺は構わないと思うぞ。」

「俺も賛成だ。」


そう発言したのは藤林長門守と服部半蔵だ。


「何故そう思う?」


「伊賀は今、飢饉が起こっている。今の人数を養うのは、かなり厳しい。このままでは間引きしなければなら無い。それくらいなら他国の大名に仕えた方が幸せだろう。」


 儂の問に藤林が答えた。


「儂も同意見だ。」


「纏まったな。」


 半蔵が言った。


「では、誰の郎党が播磨へ行く?」


 藤林が問いかけて来た。


「儂が行く。」


「何故だ?」


「望月殿から紹介状を渡されたと言う事は、望月殿も仕えるのだろう。ならばよく一緒に仕事をした儂が行った方が、連携が取りやすい。」


「分かった。いいだろう。伊賀は任せておけ。」


 そうして解散した。



天文六年 (一五三七年) 六月 伊賀国 伊賀 忍者の里 山脇六郎左衛門


 誰か仕えてくれるだろうか。そう、一抹の不安を抱きながら返事を待った。 


「山脇殿、儂が小寺家に仕えることに決まりました。宜しくお願いします。」


 良かった。これで残るは殿に渡された文に書かれている者を探すだけだ。


「百地丹波殿。では播磨の殿の所へ先に行って下さい。私は殿に探せと言われた者達を、探さねばならないので。」


「分かりました。では、準備があるのでこれで。」





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