第十話
天文六年 (一五三七年) 一月 播磨国 飾東郡 御着城 小寺氏館
「当選番号は一三五ニ」
そう一人の神官が言った直後。当選して喜ぶ者と外れて泣いている者二つに別れた。
「当選した。これで正月は美味しいものを食べよう!」
一人の男が喜んでいる。だが、彼は気づいていないが、複数の人間が男の宝くじに視線を向けている。
「念のためあの男を遠回しに警護をつけとけ」
「はっ」
当選した人が襲われでもしたら、この宝くじの信用に関わるからな。
天文六年 (一五三七年) 三月 播磨国 飾東郡 御着城 小寺氏館
今、城内はとても逼迫している。何故なら尼子と言う大大名が播磨に侵攻して来たからだ。
何故播磨に侵攻して来たのか。
それは尼子家の当主が経久から晴久に変わったからだ。
恐らく、晴久は家臣達に武威を見せ付けたいのだろう。...まったく、いい迷惑だ。
「孫四郎、悪いがこれがお前の初陣だ。」
どうやら、この戦が初陣になる様だ。
「尼子の兵力一万三千との事です。」
物見が帰ってきて、兵力を教えてくれた。
「我らが出せる兵力は二千四百程だ。この兵力で勝てる策は無いか?」
「父上、播磨の国人達と協力する事は出来ないのですか?」
「あいつらは、野戦では勝てないと踏んで籠城している。」
その時、一人の武者が駆け込んで来た。
「急報、赤松家の城である宍粟城陥落。そのまま、尼子は宍粟郡を占領しました。」
「宍粟郡が落ちたか!そうなると隣接している我らの飾磨郡に次、来る可能性が高いだろう。」
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