6話
最近は小説を書く前に精神的に参ってしまって疲れて寝てしまうことが多くこの状態がしばらく続きそうです。仕事で頭の可笑しい人を相手にすると結構きますね……。
「いらっしゃいませー!」
私は今。猫老夫婦のレイラお婆さんとロイドお爺さんの経営してる宿屋をお手伝いしている。
来客数が今月は私以外にいなかったという危機的状況だったので、助ける為にお手伝いをしているの。
「二人だ」
「ここでは一組につき一部屋です。それでよろしければ代表者の名前を教えてください」
「わかった。名前はアルカスだ。よろしく頼む」
「アルカスさんですね。部屋の鍵はこれ。ゆっくりしてってね」
まず一般の客。これは前と変わらない。通常料金を払って貰う為、夕食後静かになる一階の部屋。
「ただいま~!」
「おかえりなさい」
「今日は上手くいかなかったよ……」
「それにルグの剣折られちゃったし」
「それなー。辛ぇわぁ。ただでさえ金がないってのに」
「誰も怪我がなかっただけ良かったじゃないの」
次にお金がない人。部屋の掃除やベッドのシーツの選択等のお手伝いをして貰う代わりに料金を安くする。料理が出来る人には料理の下拵えの手伝いもお願いする時もある。
今は五人組が一組だけこの制度を利用してる。
部屋には二段ベッドが二つしかないので一人は床に毛皮を敷いて寝てるらしい。
宿屋の重要な料理のレシピには触れさせないし、仕事を手伝ってもらって二人の負担は減らせたし、客は戻って来たしで良い事尽くめ。
半月しか経ってないけどこのままなら問題なく続けられると二人にも喜んで貰えた。
「おうおう! 来てやったぞ! 部屋用意しろ!」
はぁ、折角上手くいっていたのに……。
「いらっしゃい。と言っても今はお手伝い部屋しか空いてないよ」
「そっちのが安いんだろ? むしろラッキーじゃねぇか」
「こっちの部屋は安い代わりに──「わかってるから早く案内しろよ」。…………わかったわ」
面倒な客が来たなぁ。
レイラさんとロイドさんから部屋が空いてるなら断らないで欲しいと言われてるけど……。正直他の人とのトラブルを考えると断った方がいいと思う。
「それと取り合えず飯だ! さっさと用意しろ!」
「ご飯はまだよ。そもそも昼過ぎたばかりでしょ。何処かで食べてきなさいよ」
「俺等は客だぞ! いいから飯を出せよ。あるんだろ?」
「……待ってて」
「早くしろよ?」
厨房で夕飯の仕込みをしてるレイラさんも先程の怒鳴り声は聞こえていたみたいで不安そうな顔だった。
「なるべく急ぐから待ってて貰える?」
「いや、レイラさん。あの人達追い出そう」
「え? でも、危ないでしょ? リニエちゃんが怪我したりお店が壊されたりしたら嫌だもの」
「それじゃダメなの。このままあの人達を許したら今後似たような人達も相手にしないといけない。それじゃぁ二人が持たないよ」
「でも……」
「任せて! これでも私結構強いから!」
お客様の相手は心得てる。無理難題を吹っかけてくる相手には、こちらが迷惑していることを告げて正論で逃げ道をなくして徹底的に潰してから出ていって貰う。
今後ここに来ない様にする為にも……。