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冤罪! 全身拘束刑に処せられた少女  作者: ジャン・幸田
第一章・全身拘束刑に処せられた少女
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004・全身拘束刑とは

 死刑制度が廃止されたのは人道的な理由ではなく、もっぱら人体を素体とした機械の需要があったという言われ方がしていた。また刑務所が事実上廃止されたのは、破滅的な動乱が世界各地で多発し、そういった世界復興の予算を捻出する必要があったのも理由だった。


 刑務所というものは経費が掛かる。脱獄を監視する要員はいるし設備も。それに無期懲役などの重罰を規定すれば、死ななければ増える一方だ。そこで経費削減策として導入されたのが、一般的な刑務所の廃止だった。


 軽い刑罰なら移動を制限する装置を付けさせ自由を奪えばいいし、その分半ば強制的に働かせればいいし、かつての死刑に相当する重犯罪者は穏やかな性格に改造すればいい。性格を改造するために必要な犯罪者の処遇は? その答えが全身拘束刑であった。


 全身拘束刑は人間としての姿を奪う刑罰であった。その刑の執行は身体改造を行い一種のサイボーグのようにすることであった。しかも、外観はAI搭載型のロボットと同じにして! そして、完全な機械であるアンドロイドやガイノイドと同じ扱いにされるわけだ。


 口が悪い人権派から言わせれば機械労働者階級にされることであった。この刑を受けると嫌でもロボットとして働かされるし、反逆する事さえ許されなかった。また場合によっては人格や記憶すら改変できるわけだ。


 また全身拘束刑にも改造の度合いがあり、外観のみの場合のほか、ほぼ全身を機械化してしまうものもあった。元々は何らかの事情で身体的障害を負った人間に対し施されてきた、サイバネチックテクノロジーと呼ばれる人体改造手法によって強制的に施されるものであった。無論刑罰なので意志に関係なく行われるものであった。


 全身拘束刑が相当と判決が確定すると、強制的に人体改造措置が執行されるわけだ。執行されるような重罪を犯せば機械として管理、すなわち全身がモノとして拘束される。その姿である限りずっと!


  刑期には終身、無期、有期などあったが、有期なら人間に戻れる可能性があった。ただしそれも、改造程度によっては当てにはならなかった。あんまりにも長期間機械でいると人間に戻るのが嫌になるというわけだ。それに完全に機械に改造されたら人間に復帰するのを諦めるしかないわけだ。

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