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冤罪! 全身拘束刑に処せられた少女  作者: ジャン・幸田
第一章・全身拘束刑に処せられた少女
11/37

011・起動(1)

 この時代、廃止された刑罰に死刑があった。おそらく人類社会が誕生した時から存在していた刑罰が廃止されたのは、人道的な理由よりも人間としての尊厳を奪う全身拘束刑が導入されたことが大きい。全身拘束刑はそれほど忌諱される刑罰だった。


 全身拘束刑とは人間的な外観を奪われ、人間としての思考をも奪われ。機械すなわち人類に奉仕するだけの存在になることであった。執行されると機械生命体として加工され、ロボットにしかみえない姿になるわけだ。もっとも、自分で望んでサイボーグ化という名の改造を受ける者も存在するし、完治不可能な疾病や重傷を受けた者も同様な改造を受ける事もある。


 それに対する政府の公式見解は、死刑は死を以って罪を償うものであったが、なんらかの事情で自殺するものも存在したし、また尊厳死という名の安楽死を選ぶものもいる。だから、自ら望まぬ機械化を施されることは死刑もしくは終身刑に代わる厳罰である。というものであった。


 だから愛莉は柴田技師長によって機械化措置を受けガイノイドとされた。ガイノイドとは通常女性型アンドロイドの意味であり、素材から製造された機械のことであるが、人間由来の素材で作られた機械という扱いだった。だから愛莉は人間ではなく、人類に奉仕する機械生命体アイリに生まれ変わった。全身拘束刑とは存在はしているかもしれないが、人間でなくなることであった。アイリは軍事用女性型ガイノイドの外観をしていた。


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