言ってしまった!
「考え抜いた末‥‥私は決めた‥」
周りの魔物たち‥そして幹部たちが静かに聞いている
「私は‥勇者になる!!」
ギャー!ギャー!ギャー!
叫び声がうるさく魔物たちが混乱してる!
幹部たちは急いで魔物たちを魔法で静かにさせこの場から追い出した‥
その中で1人の幹部が
「魔王様‥突然何をいいだすのでしょうか‥部下たちが混乱しているじゃないですか!」
勇者になる‥そう言ったのはこの魔界を支配している魔王様だった
「どうしてだ? 私が言った事がおかしいというのか?」
「はい‥なんといいますか‥こんな事を言うには大変申し訳ないのですが‥‥」
「言ってみなさい‥」
「では‥‥‥バカですね!」
「なっ‥‥バカ‥だと‥!」
「はい! 魔王様はバカです!」
「バカってほどでも‥‥」
「バカです!」
魔王はすねてしまった‥‥
「あっ‥‥すこしいいすぎましたかね?‥‥」
幹部も魔王様をみてすこし反省をしてる‥
するともう1人の幹部がきて耳元で
「いや!あれでも優しい方だと思うぞ!
あれ以上優しくしたらまたつけあがるぞ‥」
「そうですよね‥」
「とりあえずこの話しは忘れましょう!」
幹部達で魔王様をなだめてこの場はおさまった‥‥
だが‥‥幹部達は気づいていなかった‥
魔王様が本気だという事に‥‥
あれから数日‥‥
幹部の1人名前はアル
魔王様にバカと言った幹部の1人
アルは毎朝、魔王様の部屋に行き魔王様を起こしに行くのが日課だ。
アルの見た目は魔物とかとは違ってこの世界にいる人と変わらない
だが見た目は人でも中身は魔物以上に怖い‥魔王様だけがアルの事を詳しく知っている‥
ちなみに性別は女にあたる
コツ‥コツ‥コツ‥コツ‥廊下に響く靴の音‥
魔王様の部屋の前で靴の音がとまる‥
コンコン‥ 扉を叩く
「コホン‥魔王様‥失礼します‥」
魔王様の部屋に入り
「おはようございます‥魔王様‥」
ベットの方から
「ああ‥おはよう‥」
アルはいつもと違う感じがし魔王様の側にゆっくり近づいていった‥
「ど‥どうした‥そんなに近づくでない!」
魔王様はなぜか慌てている
「魔王様‥?‥違いますね‥あなたエルね?」
あちゃー!と魔王様は何だか女の子みたいなリアクションをとり
アルの目の前で変身してみせた‥
その姿はアルとは少し違い見た目は人だが耳が獣耳である
「エル‥一体これはなんなんですか?」
エルは困惑しながら‥
「えっ‥と‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥見た目は魔王様だったでしょ?‥」
ニコッと笑顔でアルの方を見る
ニコッと笑顔でアルはエルに向かって
「森羅万象、全ての在るものよ、無と還れ、創生の炎よ、来たれ‥
ファイアブレス!!」
魔王様の部屋の中に炎の竜巻が出現した!
「あっ‥ゴ‥ゴメンなさい!‥ほんとの事喋るから焼かないで!!」
エルの目からジワーと涙がではじめた‥
泣き顔をみて‥炎の竜巻を消した‥
「こんな女の子にファイアブレスとかだすかな‥このバカアルは!」
「森羅万象‥」
「ゴメンなさい!!もう言わないから!」
ため息をして、腕を組みエルの事を見下しながら
「じゃあ本題に入りますよ‥エル?」
「はい‥‥」
「あなちゃ‥‥」
噛んでしまった‥
「へ?」
「あなたはなぜ魔王様の姿に?」
「ねぇ!今大事とこで噛んだよね!」
「森羅万象‥」
「魔王様に頼まれたからです!」
エルはビシッと背筋をのばし正座をしながら
さっき噛んだ事を聞かなかったことにした
アルはニコッと笑い、話を続けた
「なるほど‥この前言っていた事‥
魔王様‥‥本当に勇者になりたいからって‥ここから逃げるなんて‥」
「それで変身が得意なエルに命令してこんな事を?」
エルは首を横にふり
「命令じゃないよ!お願いされた!」
私達を束ねる魔王様は変わり者で命令が嫌いみたいで、部下に対してもお願いをしてしまうしまつ‥
エルが悲しそうな顔で
「なんだか‥ね‥魔王様の顔が今まで見たことがないハキハキした感じだったからつい‥」
ハキハキって本当に魔王らしくないですね‥
でも魔王様のそんな顔なんて私も見たことがないですね‥
「だけどアルにはバレちゃったね‥」
これでもエルは幹部の1人
変身が得意で私以外で気付けるのは魔王様ぐらいじゃないかぐらい力の持ち主
「これから魔王様を連れ戻すの?」
「そうですね‥」
アルは考える‥‥
エルが立ち上がり!
「やっぱり魔王様の事!」
アルはエルに抱きつき耳元でつぶやく‥
するとエルは ふにゃぁ〜と力がぬけ床に倒れた
倒れたエルを抱えてベットに寝かせた
「魔王様の跡を追いかけますか‥‥」
そう言い残し魔王様の部屋から出て行った