アナタはひどい。

「ねぇ」

「はいはい」

「もうすぐね」

妄想しただけで

「来週だね」

にやけてきちゃう

「楽しみだよ」

「俺も」

うれしい。アナタも同じ気持ちで

「もしさ」

ん？

「なに？」

「会えなかったらはやく教えてね」

え？どう言うこと？？

「なんで？」

「ドタキャンとか嫌だからさ。事前にわかるなら教えてね」

ドタキャン？え？なにそれ

「意味わかんない」

「え？」

「ドタキャンとかしたことないもん」

声が震える

「会えるってわかってスッゴク楽しみなのに」

涙腺のダムは決壊。

「なんでそんなひどいこというの？私、ドタキャンとかやりそう？信用ない？」

ポロポロ、ポタポタ

「会えるの楽しみなのに。やっと会えるのに」

涙ってこんな勢いよく溢れるの？

「ごめん」

「来週」

会いたかった

「うん」

だけどね私は

「アナタとは」

ふーっと一息ついて気持ちを整え

「会えません。会いません。会わない！」

これでいい？

「え？」

だって

「私と会いたくないからそう言ったんでしょ。ごめんね。気づけなくって」

だんだんと卑屈になってきた

「泣くなよ」

「誰のせいよ」

電話越しに何度か泣いたことはあるけども

これだけ、しゃくりあげ、泣いてるのバレバレで演技じゃないかってぐらい大袈裟に泣いたのははじめてだ。

「ごめんね」

「アナタに会いたいよ」

「うん」

「今回は我慢します。だから次回があるならば…

いっぱい、いい子にするからだから、お願い私に１日とは言わないからアナタの時間頂戴ね。」

今、言ったことがもっと悪い方向に話しが進み出す前に

アナタが喋りだす前に

「おやすみなさい」

一方的に言い放ちピッと通話をきる。

ついでに携帯の電源も切る。

これ以上ワガママを言ってしまわぬよう。幻滅させて嫌われぬよう。

ごめんね。本当は

我慢なんかしたくない。会えるなら今回も次回も全部会いたい。

この気持ちが重たいのかな？やるつもりはなかったけど束縛してたのかな。

涙がとまらない。

鼻水もとまらない。

ティシュ終わっちゃいそう。

明日は目が腫れちゃってるんだろうな…

でも、このまま起きてたら色々考えちゃいそうだから寝ることにした。