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帝国陸海軍、最終決戦開始ス  作者: かめ
房総沖海戦
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遭遇

2014年7月8日にドーントレスと書いた部分をヘルダイバーに修正しました

「見えたぞ、米軍機だ」

「信濃」戦闘機隊長兼第1艦隊飛行長、志賀淑雄少佐は無線電話に吹き込んだ。志賀は本来飛行長として「信濃」に居るべきであるが、本人の要望及び第1艦隊航空参謀、源田実大佐の推薦により、戦闘機隊長を兼任している。

「敵戦闘機は『信濃』隊と『天城』隊が片付ける。他の隊は爆撃機、雷撃機を攻撃しろ」

空技廠の連中に無理を言っただけの事はあった。無線電話がまともに使えるに越したことは無い。各隊指揮官から了解の返答が来る。

「全機、突撃せよ!」

 最初に動いたのは「信濃」と「天城」の烈風と紫電改であった。60機ほどの新鋭戦闘機が50機足らずの米軍戦闘機に突進する。残りの90機の零戦が後に続いた。

 この作戦で日本軍の採った戦術は賭けと言っていいものだった。第1艦隊から発進したのは全て戦闘機だったのである。米軍が攻撃隊を発進させなければ、あるいは双方のタイミングがずれていたら、戦闘機隊は空しく引き返さねばならない。そのため日本軍は偵察機を最大限に活用した。第1艦隊の全艦艇が持ち得る偵察機―零式水上偵察機、零式水上観測機、彩雲、九七式艦上攻撃機―を飛ばし続け、交代で米艦隊の動向を監視させた。そして米攻撃隊発進の報せを受けると同時に戦闘機隊を発進させ、日米の艦隊の中間地点で会敵することを計画したのだ。

 現に、日本軍機と米軍機は交戦している。ほぼ予定通りといっていい。

 烈風、紫電改は4機編隊を崩さずに米戦闘機に襲い掛かる。1機の銃撃を2機編隊の米軍機が回避すると他の3機が集中砲火を浴びせる。20mm機関砲の直撃を受けたグラマンF6F「ヘルキャット」が爆砕する。その火焔をくぐり抜けた4機は次なる獲物を求めて旋回する。

 同様の光景が4分の60、15箇所で出現していた。空戦開始から空域に存在する戦闘機が全て日の丸を描いた日本軍機になるまでに3分と掛からなかった。

 戦闘機が駆逐されると、米爆撃機、雷撃機は次々に爆弾、魚雷を投棄し、もと来た方角に機体を翻す。そこに襲い掛かったのが、それまで離れた空域に待機していた零戦だった。

 腐っても鯛、古くても戦闘機だ。鈍重なヘルダイバー、アヴェンジャーに零戦が突撃する。米軍機は後方機銃で応戦するが、次々と撃墜される。30分が経過すると、空域には1機の米軍機も存在しなくなった。辛うじて観測機が2機、逃げ延びたのみである。日本側の損害は、被弾38機、撃墜5機、修理不能機4機、銃撃による負傷7人という、極めて軽微な損害であった。数の力が全てを物語った結果であった。第一次攻撃隊全滅の報せは、即座に第38任務部隊に伝えられた。

若干、投稿ペースが落ちてしまいましたが、確実に更新していきます。

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