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帝国陸海軍、最終決戦開始ス  作者: かめ
マリアナ諸島攻略作戦
33/39

砲撃

 11月2日午後7時

 既に日が暮れ、計器類の蛍光塗料だけが光を放つ「利根」艦橋では見張り員が鋭い視線を周辺に配っていた。

 一旦は敵艦隊との距離を置き空母と合流した第1艦隊であったが、敵がそのまま引き下がるとは思えない。

 潜水艦への警戒から艦隊は乙字運動を繰り返し、偵察機が常に周辺海域を飛行するという厳重な警戒が行われていた。無論空母甲板上には警急の戦闘機が待機していた。


 同時刻サイパン島沖

 第2艦隊はマリアナに到達していた。小沢の囮作戦が功を奏した形である。尤も、第2艦隊側では無線封止を行っていたため、小沢が何かしらの行動を起こしたことは薄々察していたが詳細については知らなかった。

 そして今、その無線封止が解かれた。

「観測機に連絡、照明弾投下」

 伊藤が静かに命令した。

 直後、サイパン島のイズリー飛行場―日本統治時代はアスリート飛行場と呼ばれていた―周辺が明々と照らし出された。

「主砲、撃ち方はじめ!」

 暗い海上に閃光が出現した。

 「大和」に倣い後続各艦も主砲を発射する。斉射ではなく交互撃ち方による砲撃だ。

「観測機より入電、飛行場中央に着弾!」

 命中を意味する報告に艦橋要員の間から感嘆の声が漏れる。やはり帝国海軍の射撃は世界に誇るべきものがある。特に電探を用いない射撃に於いて。

 打ち出される砲弾は主に通常弾である零式弾だが、時に三式弾や徹甲弾も混ざっている。零式弾は地上施設を吹き飛ばし、三式弾は各所に火災を発生させた。徹甲弾は滑走路の地中に潜り込んで炸裂し、滑走路を修復困難な状態まで破壊する。

 そしておよそ4時間の砲撃の後、

「観測機より入電『飛行場の破壊を確認』」

 の報を受けた伊藤は、「伊勢」「榛名」にテニアン島の砲撃を行わせ、「大和」「長門」及び巡洋艦はサイパン島への上陸に備え、陸上施設に夜通し砲弾を送り続けた。

 上陸部隊も、まもなくマリアナに到達するとの報せが入っていた。

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