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帝国陸海軍、最終決戦開始ス  作者: かめ
マリアナ諸島攻略作戦
25/39

防空艦

「敵艦隊発見」

 の報を受けてもミッチャーはすぐには攻撃を開始しようとはしなかった。房総沖海戦の戦闘詳報によれば、日本軍は艦隊を少なくとも2つに分け、米軍に接近する隙を作ったという。今、攻撃を急げばハルゼーの二の舞を演じることになりかねない。全偵察機が帰還するまで待機するつもりであった。

 そして案の定、

「新たな敵艦隊発見、空母6、戦艦5、その他巡洋艦、駆逐艦多数を随伴」

 実際には最初の発見と同時に本隊から分離した第2艦隊と第3艦隊であったが、ミッチャーは別の艦隊と認識していた。

「出たな、恐らくそれが敵の主力艦隊だ」

 続いて命令を下した。

「第1次攻撃隊、発進はじめ!」

 第58任務部隊各艦から発進した攻撃隊は340機。彼らは一路、第2艦隊へと向った。


「左舷前方に敵機、高度2000!」

 見張り員が叫ぶように報告した。

 「大和」艦長、有賀幸作大佐も双眼鏡を掲げた。

 報告通り、高度2000m付近をアヴェンジャー雷撃機が飛行している。更にその上、高度5000m付近をヘルダイバー爆撃機が飛行している、雷撃機よりも若干近く鹵獲艦の方へと向っている。先に空母を潰すつもりのようだ。

「対空戦闘用意」

 命令してから有賀は接近する米軍機に目をやり、

「あれが空母ならばな」

 とほくそ笑んだ。

 ヘルダイバーが急降下に入った。そのまままっしぐらに突っ込んで行く。鹵獲艦は一切攻撃を行わない。

 投弾直前、先頭機が何かに気付いたように機首を引き起こした。

 同時に空母の行甲板が、火を噴いた。

 ヘルダイバーに炎の手が絡みついたように見えた直後、ヘルダイバーが次々と爆砕した。

 

 鹵獲艦の飛行甲板には所狭しと噴進砲、高角砲、対空機銃が配置されていた。

 噴進砲は箱型の発射機に多数のロケット弾が装填されているもので、実戦配備されて以来、対空戦闘に有効であるとの報告が多数、寄せられていた。

 第3艦隊に配備された鹵獲艦は飛行甲板やエレベーターの損傷が激しく、修理不能と判断されたために飛行甲板のみを応急修理し、防空艦へと改装されたのであった。

 全5隻の防空艦が敵機を引き付けている間に、第1艦隊からの直掩戦闘機隊が到着した。

 上空では既に激しい空中戦が展開されており、黒煙を引いて墜ちる機体が多数、敵味方の区別はつかない。艦隊側も必死の回避運動を行っており、双眼鏡などを使って確認する余裕が無かったのだ。

 戦闘開始から約30分が経過した頃、米攻撃隊が撤退を始めた。爆弾、魚雷を使い果たしたのだ。

 奇跡的な事に、日本艦隊の被害は皆無だった。

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