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帝国陸海軍、最終決戦開始ス  作者: かめ
マリアナ諸島攻略作戦
22/39

迎撃

久しぶりの投稿

「レーダーに敵機多数、大型機です!」

 米軍硫黄島守備隊は既に日本軍機の接近を察知していた。ただちにP51、40機が迎撃に飛び立った。

 

 伊豆大島上空を通過した直後、

「右前方、敵機!」

 長倉に報告が上げられる。

「全機高度を落とせ。密集し、弾幕を張るんだ!」

 機間が詰められ、全機が濃密な火力網が形成される。

 上方に占位したP51が逆落としに編隊を襲う。

 P51が駆け抜けると同時に2機の一式陸攻がエンジンから火を噴いた。

 2機の陸攻はそのまま海面目掛けて落下して行く。

 だが日本側も黙ってはいなかった。

 続いて急降下した3機のP51に、容赦のない銃撃が浴びせられる。

 2機が弾幕に飛び込み銀色の胴体を粉砕させる。

 見れば他の編隊も多数の敵機を撃墜しているようだ。だが時折編隊の中から日本軍機が煙を引いて脱落するのも見える。

「あと少し、あと少し保てば」

 長倉の口から呻きが漏れた。

 今は数に物を言わせてなんとか持ちこたえているが、敵に増援が加われば最後だ。それまでに硫黄島にたどり着かなければならない。

 その時、長倉の目に正面から接近するP51が映った。まずい、と思ったその時、P51が爆砕した。

 眼前を3機の紫電改が通過する。

「我、貴隊を直掩す」

 手信号が見て取れた。

 彼らは空母搭乗員としての訓練が間に合わず、内地に残されてきたのだが、攻撃隊が攻撃されているとの伊豆大島からの警報を受け、掩護に乗り出したのだ。

 飛来したのは紫電改だけではない。陸軍機の飛燕、五式戦なども見受けられた。

 戦闘は日本側優勢に進んだ。

 

「迎撃機、未帰還28機、効果不十分」

 硫黄島では絶望的な報告が上げられていた。

「クソッ、続けて飛ばせ。上げられる機を全機出せ」

 滑走路にP51が入る。そのまま離陸を始める、筈だった。

 轟音が響いた。滑走路のあちこちに、砲弾が落下している。

「なんだ!?」

「潜水艦による砲撃です」


 硫黄島沿岸、日下敏夫中佐は伊四〇〇の司令塔から満足げに砲撃を眺めていた。隣では伊四〇一、伊四〇二、伊一四も次々と砲弾を送り込んでいる。

 ここからでは目標が視認できないため効果の程は不明だが、威嚇にはなっただろう。

「潜行しろ、敵の反撃が来るぞ!」

 砲に蓋がされ、要員が艦内に退避する。日下も司令塔に滑り込むとハッチを硬く閉めた。

 間が潜行し、波による揺れがなくなった。

 海面に砲弾が弾ける音が聞こえたのはすぐ後のことだった。


 硫黄島に、爆音が近づいていた。

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