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帝国陸海軍、最終決戦開始ス  作者: かめ
房総沖海戦
16/39

夜戦

 主力が横須賀に帰還したとき、「鳳翔」「酒匂」「大和」の3艦は未だ房総沖に在る。「大和」は戦闘海域から微速で移動中であり、「鳳翔」「酒匂」の第3艦隊は、「鳳翔」が低速であるために、主力に遅れをとっていた。その他にも第4艦隊の駆逐艦も残敵を求めて海域を走り回っていた。

 そして連合軍の艦艇も多数、この海域周辺を遊弋していた。主に第38任務部隊の残存勢力―戦艦をはじめとし、大量の戦力を保持していた―と応援要請を受けて急行した護衛空母艦隊、英機動部隊であった。

 連合軍は護衛空母群を分散させ索敵に当たらせていたが、日本軍艦艇は大半が戦闘海域を去っており、発見することは難しかった。

 午前0時頃には「大和」がタグボートに曳航され横須賀に入り、残すは第3艦隊のみとなった。


 午前1時、「酒匂」艦橋

「まずいな・・・」

 艦長、大原利通大佐は艦内の全員を代表して呟いた。理由は非常に簡単である。闇の中で「酒匂」は「鳳翔」を見失ったのだ。敵艦隊のものと思われる無電が飛び交っているため、敵が付近に居ることは察知していた。その状況下で電波を発信するわけにはいかない。敵に発見される可能性が高いからだ。

 だがここは日本近海である。「鳳翔」を探さずに、早々に帰還しても危険は少ない。捜索を打ち切るか否かの思案をすること15分、見張り員からの報告が入った。

「前方に小型空母と思われる艦影を視認、『鳳翔』と思われます」

 大原は前方に双眼鏡を向けた。

 確かに小型の空母のようなシルエットが見える。大きさも「鳳翔」と同じくらいだ。

「発光信号、送れ」

 「酒匂」から敵味方を確認する発光信号が送られた。

 だが次の瞬間、誰もが自分の目を疑った。その空母には艦橋があったのだ。

 旧式である「鳳翔」には艦橋がない。発艦の障害になるとして改装の際に撤去したのだ。

 沈黙の後、空母の舷側の両用砲が砲撃を開始した。

「期間最大出力!離脱しろ!」

 艦種識別を行っていた、砲術長が言った。

「あの艦は英軍の護衛空母『ユニコーン』です!」

「『鳳翔』に打電!我、敵空母ヲ発見。位置…」

 「酒匂」は旗艦の元へ急いだ。「ユニコーン」艦上ではレーダーを搭載したソードフィッシュ雷撃機が発艦しようとしていた。

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