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「なんで、兄さんは早々と帰ってきてるのに、そんなに遅いの?」
かずちゃんに抱えられるようにベッドの端に座った私たち
「聞いてないのか?青柳は、4月から異動で今は別の部署だ。」
そう言われれば、兄さんが早く帰ってくるようになったのは4月だった気がする・・・納得。
出会った時のかずちゃんは兄さんの直属の上司だった。
移動があったなんて知らずにいた私にはわからなくて当たり前のことだった。
「とりあえず。ほら、誕生日おめでとう。」
ポケットから取り出した箱
「開けてもいい?」
受け取ったプレゼントの包装をキレイに剥がし、箱を開けた。
「わぁ、かわいい。ありがとう。」
箱の中にあったのはリングをなぞらえたチャームがついているネックレスとブレスレットのペアだった。
「学校にでもつけれるものだろう?それに、虫よけにもなる。」
クックッと笑い言ったかずちゃん
「虫よけって・・・」
呆れながらも、かずちゃんにもらった初めてのプレゼントをまじまじと見つめていた。
「三十路の恋愛はその辺の恋愛と違ってしつこいから覚悟しろよ。」
コツンッとおでこ同士をぶつけ言ったかずちゃん
「それって、年齢は関係ないと思うよ。これからも、よろしくねかずちゃん」
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おまけ
「お母さんがいれてくれたよ。」
しばらく、二人でまったりとしていてふっとした疑問をぶつけるとケロッと答えられた。
「琉依が帰ってきた時、リビングで一緒にお茶してたんだよ。」
お母さん、一体何を考えているんでしょうか?
「何も言われなかったの?」
だって、明らかに兄さんより年上よ?
そりゃー私は気にしてないけど・・・
「何にも・・・あっ琉依を宜しくって言われた。」
・・・この二人はマイペースに何を話していたんだ??
買い物から帰って来たのか荷持つを持ったまま母がかずちゃんに夕食のお誘いをしてきた。
「ただい・・・なんで峰山課長が・・・」
仕事から帰ってきた兄さんが慌てたのは言うまでもない事実・・・
自サイトで短編として掲載してました。
自分なりにちょっと小細工ww
一馬からのメール・・・最初はそのままの返信のため、「Re」がいっぱい。
でも、連絡が取れなくなってしばらくは「無題」→新規作成になってます。
ちょっとした一馬の心情変化です。
そこを踏まえて読んでいただけたら嬉しいなと思っています。