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自サイトにてキリリクとして書いたものです。
リクエスト内容「社会人と女子高生の10歳ぐらいの年の差カップルで仕事が忙しくてかまってくれない相手に不安になるけど、ハッピーエンドで」
From:峰山 一馬
Subject:Re:
残業
―――END―――
これだけ?
何度、見ても携帯の画面にはたった二文字しか表示されない・・・
「ぎゃははは」
背後でバカみたいにテレビを見て大笑いする兄に冷めた視線を送りはぁーとため息を吐いた。
「・・な・・・なんだよ。」
思いがけない妹からの冷めた視線に気付いた兄は吃る
私はというと何事もなかったようにキッチンを後にした。
「もう、10日目・・・かずちゃんのバカ」
部屋に戻り壁に掛けてあるカレンダーに黒ペンで今日の日付にバツを殴り書いた。
月末にもなるとカレンダーは黒に塗り潰したほうがいいのではないかというほどバツがでうめつくされている。
バツが書き込まれている日は彼に会えなかった日
普通なら、会った日にかわいらしく赤ペンなんかでハートなーんてことをするだろう。
でも、そんなことをしても赤色に染まらない虚しさが増すばかりと悟ったのは7ヵ月ほど前・・・
それ以来、私のカレンダーは黒色に侵食されていった。
白でも黒でも虚しさが紛れることがないことを知るのには時間は掛からなかった。
それでも、私はこの儀式をやめることなくもうすぐ一年が経とうとしていた。
「おい、青柳。進路表の提出は今日までだぞ。」
帰ろうと扉を押した時だった。
ギクッと後ろを振り替えると仁王立ちしてる男の人がいた。
げっ・・・
「・・・みっちゃん、ご機嫌いかが?」
わざとらしく笑顔を作り言った。
「最高にいいよ。お前が進路表を提出してくれたらな。」
パコンッと手に持っていた日誌で軽く頭を叩いた。
「教師が生徒に手を出しちゃダメなんだよ。」
叩かれた頭を擦りぷぅと膨れっ面を見せた。
「何いってやがる。冗談はいいから出せ」
ホレッと何も持っていないほうを私に差し出した。
ガサガサとカバンから一枚の紙を取り出し差し出した。
みっちゃんこと私の担任の先生は紙に目を落とした。
「よし、今度はちゃんと考えたな。ったく、3年のこの時期に進路を決めてないなんて・・・」
はぁーとため息を吐いた。
「まぁーこれはお前らしくていいと思うよ。明日いくつか資料を探しておくよ。」
くしゃっと私の頭を撫で気を付けて帰れよ。と先生は校舎の中に消えていった。
進路表はとうに埋まっていた。
2007.11.10に自サイトにて掲載したものです。