一章二話 本
五ヶ月遅れの更新誠に失礼致しました。
首席特待生――
特待生の中でも各学科|(大学と高等部)、各クラブのスカウト組の一位指名、推薦・一般入試のそれぞれ一位合格者がそう呼ばれている。
特別な待遇があり、一般生徒からは憧憬の眼差しを受けている。
しかし、計測と言う特殊なカリキュラムがあり受講しなければ特待生の剥奪どころか下手を打てば退学になりかねない、所謂ハイリスクハイリターンな制度である。
「………今日のはめっちゃデカいですね。」
目の前にあるのは身長2メートルになろうか、と言うほどの大男を模した人形。
(てか、かなりリアル………)
『中学までの君のデータをすべてインプットしてある。かなり高めのレベルに設定してある。そして今回は生体工学の研究もかねている。本気でかかりなさい。』
要は戦い、そして勝て。
『では計測を始める。』
「応!」
ビーーッ
という開始の合図と共に目の前の人形が動き出す。
「………っがは、」
と同時に俺は後方の壁まで吹き飛んでいた。
何事?
強烈な一撃で軽い脳震盪を起こした俺は状況を掴めない。
だが人形はお構いなしに突っ込んでくる。
「………っなくそ、」
今だふらつく足取りで右にサイドステップし、二撃目を回避し今一度気合いを入れ直す。
大男を模したこの人形は上半身の攻撃は異様に早く重い、だがその分足は速くは無いらしい。
とは、一撃目を受け二撃目をかわした感想。
「だったらスピード勝負か?」
俺は人形に対し真半身の体位になり、一撃目の準備でしっかりと腰を落とした。