プロローグ〜春
本編はこれからですが、楽しく書いていけるように頑張ります!
毎日同じ事の繰り返しだった。
学校へ行き、授業を受ける。
部活に顔を出して家に帰る。
つまらなかった。どうしようもなく、つまらなかった。
退屈。
それはある意味で、人を殺せてしまうのではないだろうか。
|(この世界が変われば、愉しくなるのに。)
本当にそう思っていた。
ただ、こんなに変わるとは思ってもみなかった。
逢坂・片野―
この町が俺の生まれた町であり、育った町である。
15年前までは何もない静かな田舎だった。
隣の県との境に、小・中・高・大の一貫教育の学校が出来るまでの短い時間しか知らないが。
開校に伴って、付近は開発された。
最初に駅が出来た。
その後はあっという間だった。
巨大モールに映画館、公園やホールなどなど。
それでもこの町の桜は綺麗に咲いて……「あっきっとーーー!」
「痛い!」
いきなり人の頭をはたくのはどこのどいつだ?
「いやはや、今日も今日とてボケとるなぁ、シャキッとしぃ、シャキッと!」
「…………人の頭ぶん殴っといて、最初の挨拶がそれか、クレハ……。」
「今日は高等部への入学式やんか、プレゼントや。」
高等部と後頭部をかけたらしい、体当たりなボケをかましたようだ。
「お前の命は短いものやったな、さらばクレハ。」
食らえ必殺デコピン。
「痛い!」「……なるほど、前途洋々なるようにか。考えたな、アキト。」
後ろから声をかけられた。
「洒落や無いで、はるにゃん。こいつのはマジで内側に響いてくるんやから。」
「アキ君のデコピンはヘッドショットを極めてるからなぁ」
「ハルキとユリか、おはよー。」
「おはよー、アキト、相変わらずやね、後七年よろしくなー。」
「おう。」
桜が綺麗に咲いた、四月。退屈なままのこの世界で、4人でいる時は唯一楽しく過ごせていた。