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【プロットタイプ】あの場所はボロクソ言ったけど

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。

これは読者様の問題ではなく、私の問題。


詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。


注意事項2

私の中での解は出ました。多分これ。

アンダーグラウンド。


夜のギラギラした街よりも、清濁を併せ飲んでる気がします。

――まぁ、あの場所はボロクソ言ったけど、結構気に入ってるよ。

とある書店の階段に、縁に入れられたポスターを見た。淡々と文章が書かれたその言葉を見た時に、思わず息を飲んだ事を覚えている。いつなんどき、何があっても、あの時得た感触に勝る物は無いだろう。


愛おしくて仕方がない物、常に抱えて置きたい物、そんなものを目に入れると、常に腕に抱えて、指で触れて愛でたくなる。大切な物だから。ずっと傍に置いておきたい。

けれどもそれと同じくらい、どうしようもなく貶したくなるのも確かなのだ。賞賛とは程遠い言葉で、好感触を与えらない言葉の羅列で、爪を立てたくなってしまう。

私にとって『それ』とはとある場所に対して思う感情だった。お気に入りの街。古びた書店街。漢方の匂い漂う道。万人が納得して気に入る訳ではないけれど、それがどうにも愛おしくて仕方がない。瑠衣が私をぞんざいに扱いながらも傍に置き続けるのと似ているかも知れない。

だから今日もあの場所を訪れた。探しているのは一冊の小説だった。これ程までに端的に、瑞々しく感情を表した一説はないと思ったのだ。


「『まぁ、あの場所をボロクソ言ったけど、結構気に入ってるよ』。その一説が書かれた小説を私は探さなくてはいけないんだ」

鏡花はそう宣言すると、とある書店を訪れた。ビルを丸々一つ買い取って作られた大型書店。故に内包する本の数知れない。この中から目当ての本を探すのは、相当な苦労を強いられるだろうとは思っている。もしかしたら、此処には存在しないかも知れない。

だが『見つけ出す』という行為そのものに執念を燃やし続けるこの女は、たかが物量が多いだけでは投げ捨てない。興が移ろうまでは限られた情報から推測し、真実に辿り着こうとする。

「覚えているのは、数ヶ月前に置かれていたという事。ポスターに描かれ、縁に入れられて飾られてたという事。階段に絵画のように飾られていた事。〇〇という場所が舞台という事。隣に文庫本も置かれていたから、目に入ればきっとピンと来るはず」

そう言いながら、目星を付けたであろう本棚を延々と眺め、一冊の本を引き抜いた。イラストではなく、写真。とある場所をすっぽりと切り抜いて、その上に堂々とタイトルを載せた、シンプルな物だった。

「多分これ。さっき調べたけど、出版日、フェアが合致していた。表紙も見覚えがある」

そう言いながらパラパラと捲っていく。しかし表情が晴れる事はなかった。ただ神妙に、渋い顔をして、読み進めて行く。

違ったのかも知れない。探していた本では無かったのかも知れない。

「違ったのか」

「違うというか、文体が違う気がする。事実を淡々と述べるよりも、もっと自己理解に込み入った話な気がするから。でも多分これだよ。

あの街は皆が思っているよりも綺麗な街では無いからね。猥雑としているし、荒くれも多い。でもやはり同じくらい文化が発展していて品がある。

そんな二面性が好き。ボロクソ言いたくなるほど好き」

そう言って満足そうに本を戻した。購入する気は無いようで、さっさとその場を去る。

もう良いのだろう。あの一文こそが鏡花の中に存在していれば。

以下何でも許せる方向け。

個人の意見飛び交います。私の発言が許せる方のみ宜しくお願いします。


武家屋敷の様に堅く、誠実な感じという訳ではなく、色街の様な華やかさが広がっている訳ではなく。

ただ博覧会の様に文化的でありながら、一皮捲るとスラムの様な猥雑さがある。そんな街。


でもそんな所が好き。

真面目な委員長が、好きな子の前だけで、性獣に成り下がるのを見ている感じ。あの感じが堪らない。

ずっと八割の甘やかしを与えながら、二割の毒を吐きたくなる。


ふしだらな街だよ本当に。裏を覗けば決して綺麗とは言い難いね。でも表面上の博識なところを含めて、やっぱりとても愛おしい。

抱えて、撫でて、爪を立てて、噛み付いて、そんな事がしたくなる街。ずっとゾクゾクする。そんな街。


あのギラギラした街は、はぐれ者しか受け入れてくれないけれど、あの場所はそうでは無いからね。

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