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4 アライスの思い
「力を込めるものは何にしよう? おじさんは『そのものは金属のものを使っていた』って言ってたけど。」
「ちっちゃいものがいいんじゃない?」
「なんで?」
「大きいと邪魔になるでしょ。」
確かにそうだ。となると、どうしても鉄製のスプーンしか思い浮かばない……
大丈夫なのか?
「スプーンでいいかな?」
「フフッ、良いんじゃない? スプーンって発想はなかったけど。」
試してみるか。
俺は手頃な魔物を見つけると、スプーンに力を込めて魔物に近づいてみた。
すると…………
「良かったね! 魔物消えないじゃん!」
「ああ。 これで心置きなく戦えるよ。」
俺がなぜここまで魔物との戦いに執着しているかというと、戦ってみたかったんだ。
なのに、勝手に魔物が消えていくから、もちろん、どちらかというと魔物が消える方がいいのだが、
俺は何か消化不良的な感じになった。
そのため、俺は魔物と戦いたかったんだ。