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魔王様、支配してください!  作者: 春花
クラスメイト、やる気ゼロ!
3/24

魔王様、これがスポーツだ

 委員長のネフィはマジメが取り柄の魔法使い。驚異的な回復能力を有する回復魔法の使い手。ただ、仕事はビックリするほどできない。言うなれば無能。

「次はどこだ?」


「ガロウくんのツイッターに草野球をしてるって書いてあるから、自然公園にある球場よ」


 住宅街から商業区の方へ向かう。進行方向には大きなショッピングモールが見える。


 そのショッピングモールまで近づいて、中には入らず前を通過する。と、何気なくオージャンは後ろを振り返った。


 後ろには誰もおらず、ショッピングモールのマスコットキャラがいるだけだった。白黒模様の犬をモチーフにした大きな着ぐるみと、おそらく羊をモチーフにしたモフモフの小さなぬいぐるみ。


 特に変なところは感じず、オージャンは顔を前に戻して再び歩き出した。


 そこからはそれほど歩かず、自然公園に着いた。入口にある園内の案内図を見れば、ここから野球場までは大して離れていない。


 場所を確認して、すぐに歩き出そうとしたオージャンをネフィが止める。


「ちょ、ちょっと待ってよ。少し、休みましょうよ」


「は? なぜだ?」


「なぜって……もうかれこれ三十分以上歩いているのよ、疲れたわよ」


 息は乱れていないが足にキテいるネフィは、膝に手を当てて上体を曲げていた。


「足が疲れたならば、逆立ちで歩けばいいだろう」


「ぶっ飛んだアントワネットさんね、あんたも!」


 足にキテるというだけで、口は元気にツッコミを上げる。


「とにかく、私はあそこのベンチで休んでいるから」


 と、手近のベンチを指さすネフィ。それに対してオージャンは鷹揚に頷き、


「うむ。余も気絶した貴様を運ばずに済むと思うと気が楽だ」


「へ?」


 そのネフィの間の抜けた呟きが最後だった。


 サッとしゃがんだオージャンの向こうから現れた白球が、ネフィの顔面にめり込んだ。



 ハッと目を覚ましたネフィは、ベンチに横たわっていた体を起こした。スマホを取り出して時間を確認すると、数分も経っていなかった。が、画面に反射した自分の頬にボールのあとがクッキリとついていた。メガネが無事だったのが幸いだ。


 なんだか無性に腹が立ってきて、足の疲れも忘れて立ち上がって球場へ走る。


 球場とは言っても屋根はなく、フェンスで囲まれただけだ。公式戦ができるような場ではなく、正しく草野球をする場だ。


 フェンスのドアを押し開けて乱入すれば、


「ハーハッハッハッハ、愚かなり人の子よ! 余に勝負を挑んだ瞬間、貴様の命運は尽きているのだ!」


「俺の一球! 打てるものなら打ってみやがれ!」


 オージャンがバッターボックスに立って、バットをスタンドに向けて予告ホームランを出し、マウンドに立つ赤毛の男が手に持っている白球を前に突き出している。


『黒豹特急便』対『荷揚げ屋ドルフィンズ』の試合は最終回、二点差でランナー満塁だ。手に汗を握る展開だ。


 この短時間で何があったのか理解ができないネフィは、ただ唖然としていた。


 ランナーがいるというのに赤毛の男は大きく振りかぶり、力強くオージャンへ投じた。


「数多の魔法を見てきた余にかかれば、こんなボール止まって見えるわ!」


 オージャンは思いっきり踏み込み、バッドを振った。


 バシッと心地よい音がミットから響き、バッドの快音は鳴らなかった。


「ストライーック! バッターアウト! ゲームセット!」


 守備チームはマウンドに駆け寄って投手の勝利を称え、オージャンはバッドを見つめつつ小首を傾げ、


「やはり借り物はダメだな」


 まさかの道具のせいにしていた。


 それから両チームは整列し、礼をして終わった。


 そこでようやくネフィはオージャンへ近づけた。


「ちょっと!」


 ネフィにしてみれば、オージャンが避けたせいでボールにぶつかったのだ。文句の一つでも言いたいところだったが、


「無事だったか」


 彼女を見たオージャンの意外なセリフだった。


 まさか心配されると思っていなかったネフィは怒りがしゅんとしぼみ、戸惑った。


「え? あ、うん」


「日中に女が一人で寝ていても襲われない程度に治安もいいのだな」


「うわあああああ! もう、あなたって人は~!」


 ネフィは頭を抱えて叫んだ。


「よう、委員長久しぶり」


 わき上がる自己嫌悪に呑み込まれそうになっていたネフィは、声をかけられて正気を取り戻した。


 声をかけてきたのはオージャンと対戦した赤毛の男。身長が一九〇ぐらいありそうで、逆三角形のガッシリとした体格の男だ。プロの野球選手を目指していると言われれば、本気で信じてしまいそうだ。


「ガロウくん。どうしてオージャンと野球してたの?」


「ま、流れでね。俺が負けたら登校しない理由を教えるって勝負だったんだ」


「命拾いしたな、同室の男。余が手にしていた武器が魔剣シルファザードならば、先程の一振りで貴様は死んでいた」


「野球になに持ち出す気でいるのよ!」


 負け惜しみにしてもヒドすぎるとツッコんだ後、ネフィは「ん?」と気づいた。


「同室?」


 ガロウは歯を見せて笑い、


「おう、寮の部屋が一緒なんだよ。オージャンとはもう昨日の内に会ったぜい」


「その時クラスメイトだって言わなかったの?」


「黙ってた方が面白そうだったからな」


 ガロウは後ろからチームメイトに声をかけられ、「今行く」と返事をしてから、


「勝ったら焼肉おごってもらう約束なんだ。大した用がなければ行くけど?」


「ならば単刀直入に聞こう。なぜ登校してこない?」


 勝負に負けたくせに会話の流れで理由を引き出そうとするオージャンに、ネフィとガロウは頭に大きな汗を流して呆れた。


 しかしガロウは「ま、いいか」と笑いつつ親指で自分を示す。


「俺の名前はガロウ=タクト、聖剣所有者だ。信条は『学校の勉強が社会でなんの役に立つ』。学園に行かない理由は単純。聖剣を無くし、戦う術が無くなったからだ。あんな所、戦えない人間が通う学校じゃないだろ」


「聖剣を無くしただと? 戦いの最中に折れたのか?」


「んにゃ。遊ぶ金欲しさに売った」


 あっけらかんとした態度に、ネフィは大口を開けて固まった。


「売った?」


 その事実は彼女も知らなかったようだ。が、ガロウは平然と「ああ」と答えてから、


「そんじゃな」


 悪びれもなく、ガロウは手を振って去って行った。


「欲望に忠実な奴は大胆だな」


「聖剣売却の一件を大胆の一言ぉ!?」


 ショックの連続にネフィは声を裏返らせた。


「事情は分かった」


「事情は分かったけど、聖剣を売った神経が分からないわよ」


「次に行くぞ」


 混乱するネフィとは違い、オージャンはマイペースに次へ進みだした。



 残りのクラスメイトは二人。その内の一人は第二学生寮にいるので、オージャン達は学生寮がある地区へ、バスに乗ってやってきた。


 バス停に下り立ち、オージャンは走り去っていくバスを眺める。


「なるほど。あんな便利なものがあるから足腰が弱くなるのか」


「あんまり車に驚かないのね」


「車輪がついているということは、馬車の延長線上にあるものだろ。速さには少し驚いたが余が翼で飛んだ方が速い。どうと言うことはない。ところで――」


 オージャンは目の前にある建物を見上げた後で、その向こうに目を向ける。そちらにはちょっと先に学園の校舎が見えた。けっこう近い。


「どうして最初にここに来なかった?」


「う~ん、時間的に起きているかどうか確信が持てなかったのよ」


「どういうことだ? そいつもX組ならば寮は四人部屋だろ。誰かが起こすのではないのか?」


「ところが、グリアスさんは特別に個室が許されているのよ」


「なんだそれは? 意味が分からん」


「見れば分かるわ」


 疑問符を上げるオージャンだが、それ以上ネフィは説明せず女子寮へ向かう。


 第二学生寮はサブとサポートランクの寮で、男子寮と女子寮は隣り合って建っており、一階部分は繋がっていて共同の食堂や遊戯室、談話室などがある。


 第一学生寮のナンバーズの寮と比べると質はかなり落ちるが、それなりではある。ちなみに、第三・四の寮は中等部の寮だ。


 女子寮の玄関には女性の守衛さんがいて、入ろうとしたオージャンは止められた。基本的に女子寮に男子が入ってはいけない。


 ただ、ネフィが「〇一三号室」と言うと、青ざめた守衛さんは無言でオージャンを通した。


 二人は一階の奥へ歩いて行き、ドンドン――ドンドン奥へ進んでいく。女子寮の一階には、防犯の理由から学生の部屋はない。昔はあったが、今は物置などに使われている。それなのに、ネフィは階段を上がらずさらに奥へ進んでいく。


 どれほど奥へ進んだか――いつの間にか、なぜか昼なのに薄暗い廊下を二人は進んでいた。廊下の電灯がチカチカと明滅し、防火灯の赤い光が不気味に明るい。


 先を進んで案内していたネフィだが、その歩みはもうかなり前から遅くなり、今はオージャンを盾にして彼の背後に隠れている。


「なんなのだ、歩きにくい」


「いっ、いいい~いいいからぁ、もうこの突き当たりだから~」


 涙声でオージャンの背中を押す。それに鬱陶しさを感じて肩越しにネフィを見ていた彼は、何かを蹴飛ばしたのに気づいて下を向く。


 そこにあったのは、クマのぬいぐるみだった。


 なんの気なしにオージャンはそれを拾い上げると、後ろのネフィが「ひっ」と短い悲鳴を上げた。


「この人形がどうかしたか?」


 聞いたがネフィは答えず、ただ震える手を上げてオージャンの前方を指さした。


 薄暗くて気づかなかったが、そこから先の廊下の端に所狭しと人形とぬいぐるみが乱雑に並んでいた。


 そして、およそ五メートル先に「〇一三号室」の表札があった。その部屋のドアから漂う不気味さが、紫色の煙となって見えるようだ。


「あ、ああああ、あ」


 歯の根が合わないネフィが同じ言葉をバカみたいに繰り返す。それにオージャンはため息をついて、


「あそこにいるのだな?」


 聞くと、ネフィは涙目でコクコクと必死に首を縦に振った。


 躊躇なく進もうとしたオージャンの服が、後ろに引っ張られる。彼が胡乱げな目で振り返ると、ネフィが「イヤイヤ」と小刻みに首を横に何度も振っていた。


「行かないことには話が進まないだろ」


「やっぱり無理無理! 一旦帰ろう!」


「なにを怖がっている?」


「だって! なんか出そう!」


 その時、オージャンが持っていたクマのぬいぐるみの首が唐突に取れて地面に落ちた。


 一瞬の静寂ののち、人形とぬいぐるみが一斉にカタカタと動き出した。


「――――!!」


 限界を迎えたネフィが声にならない悲鳴を上げて、オージャンの後ろ襟を掴んで猛ダッシュで逃げた。


 入口近くまで必死になって逃げてきたネフィは、肩で息をついて涙を流していた。窓から差す陽光を全身に浴びて、気分的に浄化する。


 そんな彼女を、オージャンは冷めた目で見つめて腕組みをしている。


「なにをそんなにはしゃいでいる」


「はしゃいでるんじゃないわよ! 怖いのよ! 分かるでしょ!?」


 恐怖心を怒りで誤魔化そうとしてるのか、ネフィは声を荒げて必死に訴える。


「これで分かったでしょ! グリアスさんが個室を許されている理由が! 気味悪いから誰も同室になんてなりたくないのよ! ちなみに直上の部屋も全部空いてるわよ!」


「さっぱり分からん」


「そこまで鈍い!?」


 間近の大声をうるさそうに、オージャンはネフィ側の耳に指を突っ込む。


「貴様の言いたいことは分かる。余も昔、人間の恐怖心を煽るようなダンジョンを作ったことがあるからな。しかし、だ。あの部屋にいるのはクラスメイトであろう? そいつを引っ張り出したいというのなら、気味悪がって避けるのではなく、むしろ貴様から率先して同室を買って出るべきではないのか?」


 いきなり真っ当なことを言われ、ネフィは声をつまらせた。


「う……そうは言うけど、私だって最近クラスメイトになったばかりだし……」


「奴の立場からしてみれば、自分を気味悪がる相手とよろしくできるわけがなかろう。本人に聞いていないから分からないが、グリアスという者が学園に来ない理由は、そういうところにあるのではないのか?」


 まったくもって返す言葉がない。ネフィの勢いはしぼみ、肩をすぼめて、背中が丸くなる。


「でも……だって、だって」


「だってもへちまもなかろう。そんな調子だからクラスをまとめるべき長のくせに、ヒラのクラスメイトに舐められるのだ」


 それでもまだ指を突きつけ合ってぼやいているネフィを無視し、オージャンは先程の部屋へ引き返そうと歩き出す。


「もう貴様はついてこなくていい、邪魔だ」


「ああ! そんな恐れ知らずに進むなんて! ホラーだと真っ先にやられるキャラ!」


 訳の分からないことを叫ぶネフィをあくまで無視して、オージャンは廊下の角を曲がって姿を消した。


 それからしばらく経ち、不満げな顔をしたオージャンが普通に帰ってきた。


「ど、どうだった?」


 経緯が気になったネフィはおずおずと聞く。怖いと思うのに聞かずにはいられない――怖がりのホラー映画好きみたいな心境だ。


 オージャンは軽く嘆息して肩をすくめる。


「ドアを叩いたが出てくる素振りはなかった。余の体にまとわりつく人形共を払いながら叩いていたら、ドアの隙間からこんなものを差し出された」


 と、二つ折りになった紙を出した。ネフィは疑問符を上げながらそれを受け取り、何の気なしに開いてみた。


 ぐしゃぐしゃの線が紙をはみ出しまくって荒々しく書かれ、赤のクレヨンで「死ね!」とデカデカと書かれている。さらに開いた時に緑の粘液がむにょ~んと糸を引き、触ってみて分かったが、紙がしっとりと湿ってる。


「いやあ~――!」


 悲鳴を上げて紙を手放し、ネフィは紙を持ってしまった手をオージャンの服にこすり付けてふく。それでもまだ気味悪いのか、ダッシュで蛇口のあるところへ行き、石鹸をつけて何度も洗ってようやく戻ってきた。


 戻ってきた時にはメガネがズレ、顔に斜線が入って青ざめていた。


 わざわざ待っていてやったオージャンは、例の(霊の?)紙をまるめてポイッと手近のゴミ箱に投げ捨てた。それを守衛さんは迷惑そうな目で見ていたが。


「出て来る気がないのなら仕方がない。ここでいつまでも時間を潰すわけにもいかない。貴様が知る限りのグリアスの情報を教えろ」


 短時間で随分と生気を失ったネフィは、力無く頷く。


「グリアス=ガストさん。秘めたる力は学園でも珍しい霊力の霊能力者。高い能力を持っているっていう噂だけど、どのクラスにも馴染めなくってうちにやってきたの。…………こんな噂があるわ。彼女は入学以来ずっと引きこもっているはずなのに、テストにはなぜか彼女の答案が混ざっているっていう……」


 ネフィは肘を曲げて手首を力無くダランと垂らしながら、幽霊スタイルで声を低くしてこっそりと伝えてくる。


 だが、オージャンは冷めた顔で――どころか、むしろ憐れむように、


「そんな有能な人材を回してもらっておいて、この体たらく。それでは学園も貴様のクラスを取り潰そうとするぞ。むしろ、正当な評価だ」


 ズバリ言われてしまったネフィが、オージャンから距離を取っておののいた。彼は腕組みをしながら神妙な顔で頷く。


「余は学園側の考えがよく分かる。チームとして機能しないクラス、やる気のない学生、せっかくの才能の放棄。これはもう役に立たないどころか、他のクラスに悪影響を及ぼしかねない。それならせめて見せしめぐらいにはなってもらおうと非情に斬り捨てる」


「そんなことないわよ~!」


 ネフィは頭を抱えてイヤイヤと体を左右に振るが、オージャンは構わず続ける。


「無能な長により堕落の一途をたどる最悪なクラス。いればいるだけ迷惑をこうむる有り様は猛毒だな。こいつが委員長でなければ……そんな悲痛な声がどこからか聞こえてきそうだ」


「ううううぅぅぅぅ~」


「話に聞けば、この学園の学生の学費・寮費・生活費などは、全て税金と寄付でまかなわれているらしいではないか。しかも堕天使出現時に出動すれば、手当てももらえるとか……そんな民の血税が、こんなアンポンタンな輩にも使われているかと思うと……もし、余が統治している地でそのようなことが行われていたとしたら、余は民に顔向けできない!」


「ううううううううううううう~!!」


 ついに泣き出したネフィは床に蹲って、えぐえぐと背中を震わせている。


 オージャンはしばらくそんなネフィを感情無く見下ろしてから、


「よし、次に行くか」


「行けるわけないでしょ、行けるわけがないでしょぉ~!」


 涙のせいで目が真っ赤になり、鼻声になったネフィは起き上がりざまにオージャンの胸元を掴んだ。


「どんだけ人の心をズタズタに切り裂いたと思ってんのよ! あんたには血も涙もないの!?」


「ふふふふ、どうやらまだ認識が足りないようだな。貴様の目の前にいる大いなる存在への認識が!」


 オージャンはネフィの手を払って、手近な椅子に飛び乗って(少しでも高い場所がいいのだろう)颯爽と体をねじってポーズをとる。


「余は大魔王オージャン! 取るに足らない人間のガキの心など、毛ほどの関心もないわ! いや、貴様の悩みもだえる姿は実に愉快だったがな! ハーハッハ!」


 オージャンの高笑いを、ネフィは唇をかんで聞く。彼女は目の前にいる男が、人の心を無慈悲に傷つける極悪非道の魔王だと、あらためて確信した。


「う~……勇者にやられたくせに、少しは改心とかしないわけ!?」


「してたまるか! 余は確固たる信念の下に行動を起こしたのだ。それは十六のガキにやられて変わるような軽いものではない!」


 オージャンは「それより」と前置きをし(勇者にやられた話は広げたくないようだ)、椅子から跳び下りた。


「今日中にクラスメイトを一通り見ておきたいのだ、キリキリ案内せんか」


「なら、不必要に人を傷つけないでよ!」


 ネフィは怒声を上げて泣いているが、オージャンは気にも留めず寮の外へと出た。


 寮の守衛さんが訝しげな目で二人を見ていたのは言うまでもないが、実はもう一対、二人を見ていた目が寮の外にはいた。

 書いていて思いましたが、大魔王っていいですよね。名前からして魔王より強力っぽいものが伝わりますから下手な説明が必要ない。まるで携帯を経てからのスマホのような存在(う~んいまいちなたとえだ)。

 今回の話で二人追加して、残りは一人。それでX組がどういう教室か分かると思います。

 次の話ではオージャンが女の子を口説きます。

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