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何かを思い出したようです

愚だ愚だェ


しかも文字数少ない…(泣)



 夢、と言うか過去の記憶を思い出した。

 この体の“静流”の植物状態になる前の。

 植物状態になった理由と、左腕にある大きな傷の理由を知った、と言うより思い出した。

 

 私たち、白雨院の双子の姉妹は大変仲が良かった。

 いつも一緒で、幼馴染の少年と遊ぶときもいつも二人一緒だった。

 でも、ある日ほんの些細なことで喧嘩をした。喧嘩をした原因は私だ。

 好きな本の取り合い。

 王子様の出てくるような女の子の憧れの様な、そんな小学生向けのような本の取り合い。

 結局その本は母に取り上げられたが、そのまましばらく喧嘩をしていた。

 私はそんな喧嘩の状態が嫌いで、逃げ出した。

 逃げた先は学校の近くの公園。

 夕暮れになる間でブランコで不貞腐れていた。

 なんな中怪しい金髪の男に名前を聞かれ、白雨院と言うことを伝えてしまったが最後、誘拐された。

 公園でアルコールか何かをしみこまらされた布で口を押えられ、意識を失い、次に意識を戻したと思えば、真っ暗な倉庫かどこか。

 口にガムテープ、体には縄。もちろん助けを大声で呼ぼうとした。

 その声で、怪しい公園であった男とその仲間とみられる男が私の近くへ来た。

 『ピーピーうるせえ!』と言う、明らかに状態のおかしい男にナイフで思いっきり刺されそうになった。

 必死に抵抗し、腕に傷がはいるだけだった。ただでさえカッターで切った傷でなく少女が10㎝以上の大きな傷を付けられたのだ、声にもならない痛みを経験した。

『おまぇ、これ以上騒いでっと犯すぞ!』

 もちろんその当時、犯すなんて言葉は知らなかった。

 それで、服に手をかけられ騒いだ。

 仲間の男が、さすがにそれは辞めろと声をかけるが状態のおかしい男はあろうことか、私を誘拐した怪しい金髪を刺した。それも心臓のあたり。

 そのまま静かに、金髪は崩れ落ちた。

 初めて見る人の死。

 白目をむけながら何の抵抗もなく倒れる姿に、嘔吐をするがガムテープでふさがれているせいか、口の中に嘔吐物はたまるだけだった。

 そして、人を殺したと気が付く男は発狂。

 『俺は悪くない、俺は悪くねぇ、俺はっ!?』

 その男も嘔吐物をまき散らし、倉庫から逃げて行こうとする中、“家の警察”が倉庫に突入してきた。

 それと同時に、息が出来なくなり、意識を失った。




 ふと目が覚めると、目の前には祖父母と百夏。

「い、え?」

「静流様!?静流様!」

 尋常じゃない、勢いで百夏が抱きついてくる。

「百夏、どうしたの急に抱きついてきて」

「だって、だって、静流様が……」

 泣きながら百夏が抱きついて来たので、なんとなく理由を察したが、それを祖父が答えてくれた。

「お前は丸一日近くうなされていたんだよ」

「そうですか。ちょっと、頭の中整理さてください」

 そう言って、祖父母と百夏を退室させる。

 それでも、すぐに自分の中で整理ができた。

 この体になってからの刃物嫌いが、前世の最後包丁で刺されたから、と思っていたが更にナイフで自分を傷つけられ、目の前で人を殺されたのを見たのだ体が拒否反応をおこしても仕方がないだろう。

 あれは、過去の記憶だ。

 “死”を経験したから分かるが、この腕の傷を見るたびに思い出すかもしれないが、死にたいと思うほどではない。

 変に脳にショックが起きて植物状態になってしまったのかもしれない。

 ―――すぐ傍に、優しい人がいてくれてよかった。

 この程度立ち直れないおっさんではない。

 ……多分、トラウマもので克服に時間がかかるかもしれないが。








 後、取りあえず一つ。

 実は、思い出したのはこっちの方がやばいことだったのかもしれない。

  

 





 幼馴染の男の子がいつも言っていた


“ここは乙女ゲーの中で、静流お前の姉ちゃん主人公だから頑張れよ”


 と言うセリフを思い出したのだが、これは一体どういうことだ? 


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