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引越し

やっと新キャラ登場です。

「うわぁ…」

「すっげぇ…」

二人して目の前の建物を見て感嘆の声を上げる。


今、私たちは学園の寮の前に立っています。


寮は外観が洋館もとい中世の貴族の館みたいな佇まいの5階建ての建物だった。

さずがセレブ校と思わず納得してしまうぼど豪華に見える。

壁にまで細かい装飾がされていてとても綺麗だ。


「君たちが相模陽多くんと奏多さんですか?」

二人でぼーっと見とれていると背後から声がかけられた。

振り返ると飴色の髪の男性が微笑みを浮かべて立っていた。


「誰だよ?」

陽多は訝しそうに警戒した声で問うた。

「そんなに警戒しないでください。僕は加賀柚樹(かがゆずき)といいます。3年生でこの寮の寮長をやっています。」

加賀先輩は苦笑しながらも朗らかに自己紹介をした。

「相模陽多だ」

「相模奏多です。これからどうぞよろしくお願いします!」

陽多はぶっきらぼうに、私は笑顔で自己紹介をし返した。

「陽多、ちゃんとよろしくお願いしますって言わなきゃダメだよ」

「……」

「陽多」

「ドウゾヨロシクオネガイシマス」

私が無言で見つめると陽多はしぶしぶといった様子で頭を下げた。

棒読み感がハンパないけど挨拶できたから良しとしよう。

「二人ともえらいですね」

加賀先輩は二人に手を伸ばすと子供にするみたいに頭を撫でた。

私は大人しく撫でられたけど、陽多はものすごい速さで避けた。

「女性に無断で触れるとは失礼なことをしましたね。すみません」

加賀先輩ははっとしたように手を引っ込めて苦笑いした。

「気にしないでください、私撫でられるの好きですから」

笑顔で返すと隣で陽多が殺気を漲らせた瞳で加賀を睨んでいた。

理由は分からないけど加賀先輩は陽多に敵と認識されたらしい。


「俺の奏多に触れるなんて…」

陽多はまたぶつぶつ独り言を言っている。

こうなった時の陽多にははぐらかされるから何も聞かない方が良い。

「加賀先輩、撫でるのお上手ですね」

「わぁ褒められてしまいました。ありがとうございます」

加賀先輩と二人で談笑していると手を引っ張られ気が付いたら陽多の腕の中にいた。

「先輩、寮の中を案内していただけますか?」

笑顔だけど目が笑っていない顔で加賀先輩に微笑みかけていた。

もはや仇を見るような瞳だ。

目が笑っていない時の陽多はマジギレ寸前で要注意しないといけない。

何に怒ってるんだろうと頭の中は疑問符でいっぱいだ。

「そうでしたね、君たちを案内するのが僕の仕事でした」

陽多の視線に気づいてないのか微笑みながら「こちらですよ」と言って歩き出した。

私たちも加賀先輩の後に続いて歩き出す。

何故か手をつないで。

隣を歩く陽多をちらっと見ると手をつないでいるからか、ご満悦のようだ。

もう怒ってないのかなと思いつつ陽多が嬉しそうだから私もつい嬉しくなってしまう。

二人でにこにこ手をつないでいるのを見て加賀先輩は

「仲がいいですねぇ~」

と微笑ましそうに言った。


そして加賀先輩に導かれ絢爛豪華な門をくぐるのだった。






新キャラの加賀さんはおっとり系でいきます!

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