再会
「あなたこそ誰? そこにいるのは誰なの?」
私の声に被せるように、男性の低い声がする。
「……信じられない! まさか幽霊じゃないだろうな」
「あなたは、たしか」
忘れもしない、私に侮辱的な言葉を投げかけた男だ。
男性は、大きな花束を足元に置いて、破顔して叫んだ。
「黄泉の国から戻って来られたのか!」
「教えてくださる? 一体どうして、私はこんな所にいるの? 何があったの?」
私は文字通り、彼にすがりついた。彼は、私をしゃんと立たせてくれ、諭すように言った。
「お姫様、あなたは死んだんだよ」
「死んだ?」
「新年のパーティの日、突然」
「何を言ってるの?」
混乱して、わけがわからなくなっている私に、男性は説明してくれた。
あのパーティの日、私は突然昏倒したという。しかも、心臓は既に拍動を止めており、手の施しようもなかったとのこと。
「そんな!」
「王太子婚約者である公爵家令嬢が亡くなったとあって、翌日盛大な葬儀が執り行われた。しかし、その翌日、というか今日なんだが。……王太子は新しい婚約者を発表した」
何ですって? 新しい婚約者?
「ミリアム・ゴールドウィン。噂では、あなたの大親友らしいな」
ミリーが!
どういうこと?
「あなたのご両親のお嘆きようといったら。最愛の娘を失ったうえ、娘の親友と婚約者に裏切られるなんて。正直、何の関係もない俺ですら、いい気はしなかったよ」
男性の話は、何ひとつ理解できない。
「しかし、奇跡が起きたのか、あなたは生き返った。いや、良かったよ!」
彼は喜んでいるが、私はそれどころではない。話の衝撃に加え、さっきから顔が痛くて熱っぽい気がしているからだ。




