表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/106

そして婚約は破棄された

 結局、その夜は一晩中眠れなかった。

 王太子様から聞かされた、ミリーに対する本当の気持ち。

 そして、ルークの告白。

 どちらも意外で、にわかには信じられないことだ。


 特にルーク。

 明日、私はどんな顔をして、彼に会えばいいのだろうか。


 夜が明ける頃に、ようやくうとうとした私は、ドアをノックする音に飛び起きた。


「アナベル、起きてる?」


 シシィだ。


「ごめんなさい。私、寝過ごしてしまったのね?!」


 ドアを開けると、シシィが心配そうな顔をして立っている。


「大丈夫? もしかして、具合悪い?」


「あ、いいえ。昨日は……いろいろあったでしょ? なかなか寝付けなくて」


「なら、いいんだけど。さあ、朝食を食べて用意して、王宮へ行くわよ」


 朝食の席には、ルークはいなかった。

 王宮へ向かう馬車も、いつもなら私とルーク、シシィが一緒なのだが、今日はルークは後から行くとのことだった。


 やはり彼も、私と顔を合わせるのは気まずいのだろう。私もそうだったから、少しほっとした。


 しかし、このままずっと顔を合わさないわけには行かない。早めに彼と、今後のことを相談しなくては。

 私の今後は、全てにおいてルークの協力が必要なのだ。


 王宮に到着すると、あちこちで人が固まって話をしていた。

 貴婦人方は、扇で口元を押さえ、ヒソヒソと囁き交わしている。眉をひそめて。


「何かしら。異様な雰囲気ね」


 シシィが「様子を見てくる」と言って、人々の輪にさりげなく近づいて行った。

 しばらくして戻ってきた彼は、満足した様子で教えてくれた。


「ミリーが今朝早く、田舎の伯爵家の領地に行ったんですって。しばらく、そちらで静養するとか。詳しい事情はわかんないけど」


 更に、

「王太子様は、ミリーを王太子妃ではなく、側妃として指名するみたいよ」

 と言うではないか。


「それ、ほんと? ということは、昨日あれからすぐ、王太子様はミリーに婚約破棄を告げたのね」


 胸がどきどきする。これは、嬉しさから来るものなのか、何なのか。


「あなたの占いを真に受けてかどうかはわかんないけど、一矢報いたって感じかしら。よかったわね、アナベル!」


「問題はこれからね。どうやって、ミリーに自白させるか。とにかく、事態は私にとって有利なほうへ動き始めたってことよね」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ