86. 裏切者?
改稿で少しだけ文章を足しました
「螺旋の超光射って面白いね。やってみようか?」
ガストンに念話が入る。
もちろん今の仮の上司である大天使ミカエールから。
キョウミシンシンとニヤニヤが混じってるのは気のせいではないハズだ。
「どうせキミって悪魔王の力を完全に引き出せるワケじゃないんでしょう?もちろん神の力は最初からもってない。じゃあどっちもボクがフォローしてあげるから、やっちゃいなよ?」
ピッと指さすミカエール。
随分遠くからだけど楽しそうな表情が見えるようだ。
ガストンの返事なんて関係ないように何かの魔力が発動したのを感じる。
左手が黒く染まり膨大な闇の力が満ちていく。集まった力だけでガストンの全力くらいもある巨大な力。
「ちょちょちょい待って、オレの左手が暗黒に飲み込まれて消滅しちまいそうなんですが!」
言い切る前に今度は右手から閃光があふれ出す。
ムリヤリ握りこんで力を掌に集約させようと四苦八苦。
「なんですかなんですかなんですかコレ!?オレの右手が光のオーラで爆散しちまいそうなんですが!」
左は深い闇に飲み込まれそう、右は神の光で飛び散ってしまいそう。
相反する強大な力を必死に抑え込むガストン。
「さあ行ってみようか!」
左と右の手を組み合わせて頭上に掲げると、素振りのように腕を振り落とす。
パンッと音がすると、光と闇の両属性の刃が目の前の狂犬オーラにズバンと振り下ろされる。
真っ二つ消し飛ばしてしまった。
剣聖ビャッコ。
斬撃を避けようと掲げた斬鉄丸をオーラがすり抜け額に直撃したようだ。
プシュウ
ヨロリとゆらぐ体。
おそらく額からであろう、吹き出る鮮血。
そのままフラフラと崩れ落ちると、山頂の高みから地の底へと墜落していく。。。
「え?ちょっと待ってくださいよ!?オレやっちまったんじゃないでしょうね!?」
あれれれれ?
まさか本当に『効く』なんて思ってなかった。
見事に狂犬コンビを撃墜したのだ。
「ナニ言ってんだい、敵の有力な戦力を削り落とすなんてボクの副官にふさわしい戦果じゃないか!?さあ撤収するよアイツがもとに戻る前に!!」
いきなり寄ってきてはグイイと首に腕を巻き付けてガストンを拉致。
瞬間移動でそのまま離脱をはじめる。
焦ってバックレようとしてるところをみても、白虎老師は大したことないのだろう。戻ってきたら怒りで狂犬から大怪獣かなにかになってるかもしれない。
「待って待って待ってってば!マズいでしょコレ剣聖ビャッコに一撃いれたなんて知れたら、俺は二度と魔王国の土を踏めないってば!大魔王様に顔向けできないってば!」
「大丈夫だキミはこれからボクの副官となって天上の雲を踏みしめればいい!二度と土なんて踏まなくて済むから足が汚れることはないよ!」
今すぐ救出に向かいたいのに、もがいても暴れても大天使の腕をふりほどけない。
心の中では五体投地してビャッコに詫びるガストン。
そうだ。
結局力があるやつらが勝手しやがるんだ。
力。つけてやる。
俺が、俺の正義を貫くために!
ガストン怒りの逆噴射。
そして彼はまた絶対強者への階段を一段昇るのだ。




