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大魔王様ついてきます! ~ 最強の部下は大変なのです ~  作者: 水砲


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<幕外12> 魔人パーティ 時至る

背の低い建物がごちゃごちゃと寄せ集まる街。

地方の中規模都市程度の大きさであり、住人たちはもうひとつ垢ぬけずオンボロな着物を羽織っている。

それでも住民たちはみな、自分の一張羅に身を包み、女性はお目かしをして舗装されていない沿道で待ち人が通るのを待ちわびるのだった。


後に魔王国の首都となるリンゲルの街。

北方には氷山山脈が天然の防壁となり、そこから流れ出でる聖なる河川ブリュワが森も平野も潤した。

平地も広大であり、それぞれの山間をぬけるハブとなる交通の要所でもある。

魔人国家の最後の砦であり、地方に散っていた魔人たちは続々とこの街に集まってきていたのだった。


「魔王様のお通りだ!」

「魔王グラディウス様だ!!」


その通りを一団が歩いてくる。

5人ほどの集団に兵士たちがそれに続いていく。


ザッザッザッ


規則正しい足音が響きわたり、群衆たちはすがるようにその集団へと希望の目をむけ歓声を送るのだった。


「魔王様が通るぞ!前を開けてくれ!!」


思わず道に溢れ出そうになっている住民たちを先導する憲兵が整理していく。

そこには大国にありがちな命令口調の兵士ではなく、お願いをしてまわる仲間の顔が垣間見える。


やがて一団は通りの中央、噴水がありそこから蜘蛛の巣上に8本も道が分岐する広場に到着した。


5人が壇上に立つ。

ぐるりと取り囲む兵士たち。

少しだけ距離を置いて道中を埋め尽くす群衆たち。


マントで身を包み大剣を携えた大男は前に進み出て集まったすべての魔人たちを見渡した。


集まった街中のすべての魔人は30万にもなったかもしれない。

広場から何区画も先、数キロも離れた先までも人込みが埋まっている。

とても広場の様子を見えるとは思えないがそれでもこの街が変わる瞬間に立ち会おうと集まったのだ。


仁王立ちした大男はバサリとマントをひるがえし、果てしなく続く群衆の先の先まで目を向けた。

そして天に腕を伸ばし1本の指を立てるのだ。


「ここに新しい魔人国家"インフェルノ"を建国する!!ワレはこの国の王となるグラディウス、今日より「魔王」を名乗らせてもらうぞ!!!」


その男の宣言は街中に、そして世界中に響き渡った。

その場にいるすべての街人にはもちろん、人界、悪魔界、そして天界まで。

あらゆる種族、国家、生きとし生けるものすべてに対して行われた宣誓であった。


一瞬の静まり。


魔王を名乗った男は自分を起点に伸びていく街道それぞれへと力強くまっすぐな眼光を向ける。


そこには、神の使徒に、悪魔に、そして人間にすら蔑まれ滅亡を義務付けられた魔人たちがいた。

暗い影を引きずり、希望が消えた目が移ろい、腰をまげ足を引きずりながらさまよい、わずかばかりの今日の糧をえてきた魔人たち。


神の神罰で身を焼かれ、悪魔に篭絡され精神も魂も喰われ、人間に討伐され見せしめとなってきた。

そんな時代が30年も続き、かつては一大種族であった魔人たちの数は数百分の一となり、他の全ての種族におびえてひっそりと過ごしてきた。


「ワレがお主たちを守り抜くことをここに誓う!お主たちはもう怯えて暮らす必要はないっ!!」


ワアアァァァッッ!!!


少しづつ

少しづつ歓声が膨れ上がっていく。



「ワレはお主たちとともにある!!!!!!!!!!」



ワアアアアアァァァァァァァッッッッッ!!!!!!!!!!!!!


ついには街中の魔人たちは全ての力を振り絞り叫びをあげた。

怒号のような叫びはつぎつぎと街中に伝播し、響き渡る声は街中を揺らし建物を震わせた。


その衝撃が町中の建物を破壊するのではないかと思えるほどの歓声は、しかしいつまで経ってもやむことはなく、さらにおおきなうねりとなって街中を震わせ続けるのだった。


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