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大魔王様ついてきます! ~ 最強の部下は大変なのです ~  作者: 水砲


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44. 極秘ミッションへの誘い

2025年最初の投稿です

新年おめでとうございます

皆様に良い年となりますように!

大魔王の執務室に残ったのは魔王軍副官のガストン。


これから数百年も魔王軍を盛り上げる貴重な人材なのである。

だがそんな漢も今はまだ飛び立つ前のひな鳥でしかない。

自分ひとりが残ったことに迷っておるのであろう、緊張が読み取れる。


「ガストンよ。竜王の試練突破見事であったな」


ベノンと二人でも初めて挑むには過酷な試練、むしろベノンに付いたからこそ厳しさが増しておった。

ガストンが単独で挑むのと難易度は決して変わらないであろう。


「い、いえ、とんでもございません!俺はベノン団長に引っ張っていただいたんで。俺の力じゃありません!」


慌てるようにベノンのおかげにするガストン。

そういう漢なのだ。

奥ゆかしさを感じられる貴重な漢である。ワレからの好感度をどこまで上げれば気が済むのか果てが知れぬ。


「そうとも言えるしそうでないとも言える。逆にお主でなければベノンは挫折したかもしれぬぞ?」


竜王の試練とは初回と2回目で難易度がことなる。


厳しい自然と吸魔石が肉体を極限まで追い込むのは何回目でも変わらない。だが2回目以後は出現モンスターのレベルが跳ね上がる。

悪魔ベールス・ゼブブはアイスゴーレムであったが、ベノンとガストンにはアイスドラゴンも参戦したのだから。ゴーレムは強力ではあるがドラゴンの足元にも及ばない。

ガストンもアイスゴーレム3体を倒したのだからゼブブとの差は大きくない。

自分では気づいておらぬだけでガストンも世界を動かす力を手にした男なのだ。


「ところでおぬし。夜は強い方であるか?」

「え?・・・ええ、それなりに夜間の作戦にも参加してますしね。数日寝なくても倒れはしないですよ」

「おぬしだけ残ってもらったのは少し手伝ってもらいたいことがあるからだ。深夜になるが暫く力を貸してくれぬか」


なぜ俺が?自己評価が高くないガストンは当然考えるだろう。

だがワレの名代となる立場で参加してもらうのだから、認める漢にしか頼めぬ。


瞳と瞳が交差する。

信頼と信奉の想いがレーザー・ビームのようにお互いの瞳へと到達してガストンの瞳に炎がやどる!


普段はベノンの影に隠してなかなか表に出さぬ情熱。

大魔王は知らないことだが彼の瞳には「やる気チャッカマン」の特殊スキルが付属しており、まさに今大魔王の想いがガストンの情熱に火を付けたのだ!


"大魔王'ズやる気チャッカマン"

『 各種族の頂点に立つ大王が所有する特殊スキル。王を信奉する配下の「やる木」に情熱を点火する。

実際に使用可能なのは大魔王グラディウスと悪魔王サターンのみ。神界の王である創造神は使用する必要がなく、人界には種族を統べる王が存在しないため使用対象とならない。


スキルの存在を認知しているのは創造神のみ。スキルを世に生み出した本人であるから。

しかし魔王グラディウスは「視線を交わせば思いが伝わるのだ!」悪魔王サターンは「あたりまえじゃろ?」どちらも理屈にならないセリフで説明を拒んだため、創造神がなんとなく言い出せずに闇に葬り去られたスキルである。』


「はっ!喜んで!!」


感激に震える声が勇ましい。

ベノンの陰に隠れた力を存分に借り受けようぞ。

そなたの情熱を無駄にする大魔王ではないっ!



退席したガストンは燃え盛る炎を瞳に宿し握りこぶしを振り上げた。

自分のキャラが崩壊しかねない異常事態だが気づかないのは本人ばかり。


やっぱり大魔王様はすげえな。


今でも熱いパトスが魂の奥底で燃え滾っているようだ。

まるで何かのスキルで強烈に力を与えられた気分がするのだから俺らしくない。


「のんべんだらりん」と「適当」をモットーにするはずの俺のハリケーンが豪風雨で荒れ狂っている。

意味不明だがそんな感じなのだから仕方ない。


執務室を失礼して高ぶる想いを沈めながら今日1日を思い返す。


魔王軍はどうなっちまうんだ?

あの悪魔はベノン団長とずっと一緒らしい。

大魔王と悪魔王が認めたのだから。


離れられたくない?ずっと一緒?

初めての恋愛に熱を上げてる初心なカップルなのか?

世界的傑物二人のビックカップルだからみんなスルーしているが、やってることがアレだって気づいてない特にあの悪魔。


世界の資源を無駄にしているとしか思えない頭の悪い状況にどうして誰も気づいていないのか不思議だ。

時代が何かをさせるのかとしか思えない。それができるメンバーだ。


そう考えると俺はベノン団長につきあう必要がないかもしれない。

世界か時代かそんなのは凡人にはわからない。だがもう道は開けている。

十分楽しめたし小物の俺は田舎の街へ帰ってなじみのヤツラと笑って暮らすのもいいだろう。

怪獣たちの集いに俺の出番なんてないのだから。


俺は立派な国境警備隊員になろうと地元を出てベノン団長についてきたのだから。

"ベノンさん"にも少しは昔の借りを返せたつもりでいる。


そう思っていたところで大魔王様から誘われた。

俺の魂に火をつけて。


大魔王様のご要望なら深夜の奇襲だろうと暗殺だろうとやってみせる

考えるのは魂の炎が収まった後で十分だ。



そんなガストンの熱い炎が収まるのは数年も経った後になる。

そしてその時には今のベノンと同じく「引くに引けなくなっている」ことに気づくのだ。

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