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大魔王様ついてきます! ~ 最強の部下は大変なのです ~  作者: 水砲


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39. 出会ってしまった三人と1人

「ダン!おいダン!!!」


こっそり手招きして師団長のダンを呼びつける。

とにかく状況確認が必要だ。


「ガストン副官も戻ってきてたんすね。そーいえば特訓にラチられたヤツラもチラホラ来てるみたいだし。今日からっすか?」


今日は確認だけな、と見渡すとセイサン山脈で雪に埋もれたヤツラは全員無事。

団長の言った通り竜王の修行場には特別な魔法がかけられているようだ。


だが俺が確認したいのはそこじゃない。


「なんだあれは?人間なのか?」


練兵場の反対側の入り口からはいってきた人間・・・これから訓練が始まる団員達が取り囲んでいるのは少女。

人間の子供!

どうやって魔王国までやってきたのか見当もつかない。魔王国の首都リンゲルまでは人間世界から延々と魔物の都市を辿らねばならないのだから。

魔王宮へ訪れた人間は許可した使節以外では数百年前の勇者のパーティ1組だけ。


見た目華奢な少女が訓練用の武具をまとい魔人の模擬刀をかかえる。

人間の子供が訓練場で何してるんだ?と疑問だが、当人は模擬刀の方が大きすぎて子供がぶら下がっているようにしか見えない。

エッチラオッチラ歩く少女。しかし立ち上る魔力オーラは魔人クラスをはるかに凌駕していることに気付く。


ガキのくせして俺より強そうだし、そんなガキが団員たちに武術を指導しているのだからビックリするしかない。人間にこんな存在がいるとすれば思い当たるのは一人だけだが。それはそれでおかしい。


「ありゃ当代の勇者か?もしかして!?」


思い当たるのはコレしかない。

魔王国の歴史上二度目となる勇者のなぐりこみか?

やつらは魔族なら容赦せず殺そうとする残忍な無頼漢。女子供年寄りその他なんでも容赦がない。

冷たい手でギュウと心臓をにぎられたように焦燥が募る。


「ガストンさん知らなかったっすか?ベッチー勇者殿っすよ。それよりなんスか団長が連れてきためちゃかわいい美女あれ悪魔でめっちゃ強ええヤツでしょ!」


俺達は互いに疑問を抱えて「なんだそれ?」状態。

勇者殿?いやいや知らないって。っつーか説明しろよ。


コイツの口調からあの勇者が表面上は?今のところは?敵じゃないらしい、まず俺の方はそれでOKにしておく。驚かされた御礼に俺からもぶっこんでおこう。


「あの悪魔はあの悪魔は悪魔軍の総司令官だから。団長より強いぞ」

「え!マジっすか!?」


そりゃそうだ。特訓に出かけて奥さん拾ってくるなんて武勇伝聞いたことがない。


「もうひとつ言うとあの悪魔が団長の奥さんになった」

「ヘッ!?・・・・ゲッ・・・・ゲッ・・・・ッ!!」


情報量に脳が焼き付いたな。

叫びすぎて過呼吸になったようだ。


想定の範囲内だ俺はできる副官だからな。


誰かこうなるかと思って持ってきたビニール袋。

ダンの口元にあててる間にも次の展開が始まる。



ワールドクラスの傑物の邂逅。

直接会ったことがなくても互いに相手がわかる。強者は強者を知る。

そして相手が浮かべば謎は更に深まる。

「なぜこいつがこの場所にいるんだ!?」


魔王国No.2にして大魔王の右腕ベノン団長。

悪魔国で悪魔王サターンにつぐNo.2にして悪魔軍の全軍を統べる総司令官ベールス・ゼブブ。

そして人族No.1にして神から勇者の力と称号を与えられた当代勇者キャサリン・ベッシーニ。


なんで種族を代表する戦闘狂たちがここに集合しているんだ?


この内の誰か二人が街で出会えば普通にストリートファイトが始まるメンバーだろうに。

どこの運命がこんなカオスを生み出したのか知りてえホント。


「ほほほ人間の勇者がわたくしに喧嘩を売りにきたのかしら!?」

「魔王軍と悪魔軍が裏で手を組んでるなんて貴重な情報ね?漏れないように私を消しにきたわけね!!」

「なぜ人間の勇者がわれらの練兵場に入り込んでおるのだ!魔王軍団の力が試されておるのか!?」


当然すぎる反応。

3人も剣の柄に手がかかり相手を探り合う空気がピンと張る。

これから怪獣大戦争でもはじまるっつーのか?


大陸の端から端までヒビが入り間が海になるとか、海が干上がって新しい大陸が生まれるとかそんなバトルはじまっちゃう?

首都リンゲルが跡形もなくなることは間違いないぞこれ。


仲裁するのダレ?普通仲裁ってモメてるやつらより強いヤツがやるんじゃねえの?


止められるの一人しかいねーじゃん。


だいまおーさまー、た~~~すけ~て~・・・・・

歴史的な英雄たちの邂逅とは程遠い感じもしますがそうなのです

読んでいただきありがとうございました

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