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第25話 グランピングへ

 週末になり、グランピングに行く当日となる。


「じゃあ、行ってくるから」

 

 妹のまりんにそう告げる。


「荷物、それだけなの?」


 俺が手にしている荷物はリュック一つだけである。


「うん、一泊だから着替えくらいで大丈夫だからね」


 キャンプの道具などを持って行かなくてもいいのが、グランピングの良さである。


「そうなんだ。楽しんで来てね。仕事なんだろうけど」

「ありがとうね」


 俺は家の外に出る。

もうすぐ、美南さんが迎えに来てくれることになっている。


 今日の俺はいつものセットアップでは無い。

黒の長袖シャツに黒スキニ、その上から黒のマウンテンパーカーを羽織っている。


 以前、案件でもらったものだが、ポケットが多くて使いやすいのだ。

朝と夜はこの時期でも冷えるだろうから、防寒対策はしっかりとした。


 しばらく待っていると、家の前に一台の車が停車した。

窓が開き、美南さんが顔を出す。


「おはよう」

「おはようございます。今日は、いつもと車違うんですね」


 美南さんが今日、乗っているのは黒のSUVだった。

いつもはクラウンに乗っている。


「流石に、クラウンだとグランピング感出ないかと思ってSUV借りてきた」

「なるほど」


 確かに、SUVの方がアウトドア感はあるだろう。

美南さんは結構、形から入るタイプだ。


「後ろ乗って」

「了解っす」


 俺は、後部座席の方へと乗り込む。

助手席にはひなの担当マネージャーが座っていた。


「朱音さんもおはようございます」

「おはようございます。よろしくお願いします!」


 朱音さんは美南さんの同期だ。

大学時代から交流があるらしく、仲がいいのが伺える。


「このまま、ひなちゃんのこと拾いに行くから」

「わかりました」


 俺はシートベルトを締めながら答える。


「にしても、今最も影響力がある2人がこんなに近くに住んでるなんてねぇ」


 美南さんが運転しながら言う。


「僕も最初に知った時は驚きましたよ」


 まさか、歩いて行ける距離にひなが住んでるとは、夢にも思っていなかった。


 車を走らせて数分でひなのマンションの前へと到着する。

朱音さんがスマホでひなと連絡を取っている。


 しばらくして、エントランスから大きめな鞄を持ったひなが出てきた。


「すみません。お待たせしちゃって」


 そう言いながら、ひなは俺の隣の後部座席に乗る。


「おはよう。そんな待って無いから大丈夫だよ」

「優輝さん、おはようございます」


 今日のひなは白のブラウスにピンクのロングスカート。

胸元には黒のリボンが結ばれていた。


 大人可愛いエレガントなガーリースタイルだ。

手には紺のコートも持っている。


「じゃあ、出発しますよ」

「「お願いします」」


 美南さんがアクセルを踏み込む。

ここから、目的地のグランピング会場までは約2時間。


 ちょっとした旅行気分である。

これを機に、ひなとの距離も大きく縮まりそうな予感である。

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