第21話 影響力ランキング
更新再開します
ひなとのコラボ配信が決定した夜、俺はコラボの日程を決める為に連絡を取る。
『今日はありがとう。コラボ配信なんだけど、今週末でどうかな?』
週末の夜なら仕事も休みで、暇している人が多い。
配信も見てくれるだろう。
『大丈夫ですよ。何時からやります?』
『21時くらいから1時間くらいでどう?』
『了解です。その日は仕事も午前中だけなので問題ないです』
コラボの日程が正式に決定する。
今、最も勢いのあるひなとのコラボ配信はそれなりの反響を呼ぶことだろう。
『じゃあ、告知しとくな』
『了解です。私のアカウントでも告知しておきますね』
俺は早速SNSでひなとのコラボ配信についての概要の告知を出した。
すると、すぐに反応が付く。
《楽しみすぎる》
《絶対に見ます!!》
《通知取って待機しておきます!》
その内容は多くが肯定的なものだった。
「まずは、一安心だな」
そして、俺は案件動画の編集作業をしていた。
その時、俺のスマホに美南さんからの通知が入った。
『1位おめでとう』
その言葉と共にあるサイトのリンクが送られてきていた。
上半期インフルエンサー影響力トップランキングと書かれていた。
そこには、30位までの10代から30代を中心としたトレンドに大きな影響力を持つ人物の名前が並んでいる。
・1位 ユーキ(TikToker)
・2位 蒼井ねお(インフルエンサー)
・3位 佐藤ひな(TikToker)
このランキングは様々な選出基準が存在する。
テレビや雑誌などのメディアへの露出が増加し、国民的知名度が上昇しそうな人物。
自らトレンドを創り出し、注目を集めている人物。
発信することによって世間を盛り上げている人物などが挙げられる。
このランキングを1位から3位NEOプロダクションの所属インフルエンサーが獲得したのである。
1位は俺、ユーキであり2位はうちの社長だ。
ここまでは納得できるだろう。
「にしても、すごいな……」
たった3ヶ月と少しでひなはこのランキングに食い込んできたのだ。
それも3位というトップ層に。
これは異例のことである。
確かに、ここ2ヶ月ほどでひなのチャンネル登録者数は爆増している。
特に10代には大きな影響力を持っているだろう。
事実、ひなの紹介した商品は軒並み完売になってしまうほどである。
ひながプロデュースしたコスメは今、入手が困難になってしまっている状況だ。
俺は美南さんに『ありがとうございます』と返信してスマホを閉じる。
『影響力ランキング、今回も1位でしたね。さすがです』
ひなからメッセージが届いた。
『ありがとう。ひなちゃんも3位じゃん。おめでとう!』
『ありがとうございます。ユーキさんに並べるように頑張ります!』
向上心を持っているというのはいいことである。
人間、一つ目標を達成してしまうと、そこで満足してしまうこともある。
俺はそれが心配だった。
ひなの原動力になっているのは、恐らく俺だ。
俺とコラボするという目標が達成されたら、彼女は活動を続けていけるだろうかと。
しかし、それは杞憂に過ぎなかった。
彼女はもっと高みを目指している。
「俺も、頑張らないとな……」
頑張っている人間を見ていると、こちらも野心を揺さぶられる。
コラボ配信まで後3日。
俺は準備を整えるのであった。
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