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第14話 新しいカタチ

「ご馳走様でした」


 俺は、美南さんが作った昼食を食べ終わった。


「美味かったです!」

「それはよかった。また作るね」

「ありがとうございます!」

「そろそろ、来る頃かなぁ」


 美南さんは腕時計で時間を確認して呟いた。

俺も、スマホで時間を確認する。

すると、13時を少し過ぎた頃だった。


「あの、誰が来るんですか?」

「ああ、優輝くんには言って無かったっけ。ひなさんだよ」

「え」


 佐藤ひな、今人気のインフルエンサー。

彼女とは昨日会ったばかりである。


「それなら先に言ってくださいよ。ひなちゃんが来るならもう少しマシなセットしてきたのに」


 俺は鏡で自分の髪型を確認する。

いつもよりボサボサではないが、それでもほぼノーセットである事には変わらない。


「何よー。いつも私と会う時はボサボサで来るくせに! 優輝くんは人で変える人なんだぁ」

「いい歳して拗ねないでくださいよ。子供ですか」

「子供で結構ですー」


 そんなくだらない言い合いをしていると、会議室の扉がノックされる。


「どうぞー」

 

 美南さんがそう言うと、ひなと担当のマネージャーさんが入ってくる。


「すみません。お待たせしてしまいました」


 ひながぺこりと頭を下げる。


「いえ、美南さんと仕事の話をしていましたから大丈夫ですよ」


 俺は笑みを浮かべて言った。


「こちらこそすみません。今日はこんなボサボサで」

「髪の毛下ろしているのも素敵だと思いますよ」


 ひなが俺の顔をうっとりとした表情で見つめる。


「あのー、いい雰囲気の所申し訳ありませんが、仕事の話しても?」


 美南さんが俺たちの間を割って入った。


「も、もちろんです」

「す、すみません。お願いします」


 ひなは俺のテーブルを挟んで対面に腰を下ろす。


「ではまず、資料をお配りします」


 今朝作ったであろう資料を美南さんが全員に配る。

そこには、俺とひなの今日の朝時点でのフォロワーの伸び方や男女比率など詳細に書かれていた。


 この資料を今日の朝仕上げたと思うと驚かされる。


「お二人も十分体感していることかとは思いますが、ユーキとひなさんがコラボしたティックトックが今、とんでもない数字を叩き出しています」


 これが、一時的なものかどうかはまだ判断できない所ですが、しばらくはこのままの勢いが続くことだろう。


「弊社としましては、2人をセットで売り出していきたいと考えています。早速、今朝時点で企業様からもお二人を同時に起用したいというお声かけを何本もいただいております」


 企業としても自社の商品だったりサービスを、より影響力のある人に紹介してもらいたいはずである。

特にターゲットを若い層にしている会社は、今の俺とひなの影響力は侮れないだろう。


 事実、俺が紹介した商品が即完売するなんてのもザラにあることだ。


「最後のページに書いてありますが、現時点でお二人にオファー頂いているお仕事です」


 そこには、CMが2本、動画案件が13本、イベントの出演が4本、ドラマ出演なんてものも会った。


「今後、こういった形での仕事が増えると思いますが、お二人は大丈夫ですか?」


 美南さんが俺たちに尋ねる。


「僕は大丈夫です」

「私もです。むしろすごく嬉しいです!」

「それなら、よかったです。では、引き続き仕事の方は厳選させて頂きます。お二人の本業はあくまでも学生ですので」


 そこから、仕事の打ち合わせは3時間ほどに及んだ。

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