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第13話 美人マネージャー

 スマホの通知がとんでもないことになりそうだったので、SNSの通知は全部切る。

その間もどんどんいいねとフォローは増えていく。


 ティックトックのフォロワーは合計で25万人以上増えた。


「えぐいな……」

 

 元々、ティックトックは現状一番伸びやすいSNSと言われている。

それは、自分が意図しなくてもおすすめに流れてしまえば、目に触れるからである。


 今日上げる動画の編集でもしようと思い、パソコンを開いた時、美南さんから通知が届いた。

内容を確認すると、今後のことで色々話があるから事務所に来てほしいとのことだった。

12時に家まで迎えにきてくれるとも書いてある。


 俺はそれに了承すると、準備を始める。

迎えにきてくれるということは、車だろう。

それなら、人目に触れないのでガッツリ変装する必要もない。


 昨日は、ベージュのセットアップだったので、今日は黒のセットアップにする。

髪の毛は整える程度に抑えておいた。

仕事の話だけなら、これでもいいだろう。


「今日も事務所行ってくる。もうすぐ美南さんが迎えにくるから」


 俺はまりんに伝える。


「了解! じゃあ、お昼はいらない?」

「ああ、急ですまんな」

「いいよ。これから作る所だったし」

「ありがと」


 そして、12時の5分前。

俺の家の前に黒塗りの高級車が停車した。

運転しているのは美南さんである。


「優輝くんお待たせー! 乗って」

「わざわざありがとうございます」

「いえいえ、運転好きだから気にしないで」


 俺は助手席に乗ると、シートベルトをする。

それを確認すると、美南さんがアクセルを踏み込んだ。


 そのまま、美南さんが運転する車で新宿の事務所へと向かう。

ビルの地下駐車場に車を停め、エレベーターを待った。


「ごめんね。急に呼び出したりして」

「いえ、仕事の話ですよね?」

「そうそう。電話より直接話したほうがいいと思って」


 エレベーターで事務所のフロアへと上がる。


「会議室取ってあるから」


 この前と同様、会議室に通される。


「優輝くん、お昼食べた?」

「いえ、まだです」

「ちょうどよかった。先方が来るまでもう少し時間あるから一緒に食べようか」

「ありがとうございます」


 美南さんは自分のデスクに何かを取りにいく。

そして、数分で戻ってきた。


「じゃーん、どうぞ召し上がれ」


 俺の前にはお弁当が置かれていた。


「これ、美南さんの手作りですか?」

「そうだよ。私の手作りじゃ不満かな?」

「そんなことありません。いただきます」


 美南さんの作ってくれた弁当を食べ進める。

対面では一緒に美南さんも食事している。


「美味いっす。美南さん料理もできるんすね」

「ありがとう。嬉しいね」


 美人で、仕事もできて、料理もできる。

神はちょっと彼女に授けすぎたのではないか。


「あの、一つ聞いていいすか?」

「なに?」

「なんでこれで彼氏いないんすか?」


 空気が張り詰めた気がした。


「優輝くん、それは言っちゃいけないお約束だよね?」


 笑顔が怖い。


「それとも、優輝くんが彼氏になってくれるの?」

「すみませんでした」

「あー、優輝くんにも振られちゃったかぁ」


 別に振ったつもりは無いのだが。


「いや、俺みたいなガキよりもっと大人の人がいいのかと」

「優輝くんはちょと自分を過小評価してる所があるよね」

「そんなことないですよ」

「ほら、また」


 そんな会話をしながら、俺は食べすすめた。

 

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