■1 『青波』だらしない子
唐突に書きたかった系(深夜に書いた)
文字数も少なめで更新も不定期にする予定だけど、本編と合わせて読んでくれると嬉しいです。
ブクマとか評価とかもしてくれるとすっごく嬉しいです!
私とシズが〈Blue Wave〉を作ってから数日。
「シズ、今日は来たのね」
「うん」
「ふふふ。相変わらずの寝ぼけ眼ね」
「うるさい」
シズはプイッとそっぽを向いてしまった。
でもそう言うところが可愛い。
だけど一つ気がかりなことはある。
「そう言えばシズ。今日の課題はやったの」
「うっ……」
「そのうっはなに!まさかやってないとか言わなよね!」
「その通り……」
シズは昔から頭がいい。
特に理数系は得意分野なのだが、対して文系はそこまで。それにクラスでもいっつもボーッとしていて人の話をまともに聞いてない時だってある。特に朝は酷い。
私は少しきつい口調に戻した。
「シズ。そんなだったら起こしに行ってあげないよ!」
「えっ!?」
シズの顔色が変わった。
絶望したように青ざめる。そんなに青ざめなくてもいいのに。そもそも貴女は今年で17でしょ!
「こほん。今はお客様がいないからはっきり素に戻って言わせてもらうけど、貴女は私を頼りすぎ。毎日私が起こしてあげると思ったら大間違いよ」
「そんなの困る」
「困る困らないじゃなくて、自分で起きなさい!アラームをかけるとかしてね」
「スマホは……近くにあると眠れない」
「それはわかってるから。目覚まし時計去年あげたでしょ!」
「……」
何故か黙り込むシズ。
その表情はいつも無表情に近い彼女の顔から汗が出る程だった。
「まさか壊したんじゃないよね?」
「……」
「いやシズが壊すわけないよね。じゃあ……分解した?」
「うっ!」
「うっじゃない!」
私はしっかりと叱った。
シズの悪い癖だ。興味あるものには何でも食いつく。ただそれで変な虫に食いつくことはしないのはお利口だけど、それを抜きにしても自由すぎる。これで成績優秀者なのが少し腹立たしい。
でも昔からの知り合いで幼馴染だし、家も隣同士で親友なのであんまりとやかくは言わないけど、流石にそろそろ自分で起きるようにならないといけないわよね。
「はぁー相変わらずすぎだよ」
「ごめん」
「まあいいけどね。シズはそう言う子だから」
私は相変わらずの寝ぼけ眼で見つめてくるシズをチラ見した。
私はシズのお母さんじゃないけど、シズを引っ張っていくようなタイプではある。けどそれじゃあ駄目だって事ぐらい多分わかってるはず。
「まあいいわ。とにかくシズ!次からは自分で起きられるようにしておくこと」
「ううっ」
「返事は!」
「は、はい」
シズは仕方なさげに対応した。
多分だけどシズの頭の中では「どうせまた起こしに来てくれる」とでも思ってるんじゃないのかしら?
だけど今回は私も甘やかさない気でいた。
シズの寝ぼけ眼に私は如何映っているのかしらね。
「すみませーん」
そんな時だった。
お店に誰かやって来た。ギルドを設立してから初めてのお客様だ。
私は張り切って接客しようとした。そしてそこに現れたお客様はマナちゃんだった。
「あらら、マナちゃんいらっしゃい」
「はい。あの、そちらの方は?」
これが私達と『星の集い』とを繋ぐ最初の話。
ちなみに次の日私は本当にシズを起こしには行かず、シズは遅刻した。次の日もそうだった。
それから私はシズに泣き付かれてしまったのでした。
ちなみに『青波』はどこ所属かわかりやすくするためのものです。