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3歳の誕生日

初めて書く小説なので、意味が分からない部分や筋が通っていない部分があるかもしれません。

もしそういう部分を見つけたら、コメントで教えていただけたら幸いです。

「お嬢さま、朝ですよ」


 ふわああ、とあくびをして目を開く。


「んー?ナナ?」


 目を擦りながらとなりを見上げると、となりには専属メイドのナナとノランが立っていた。窓の外を見ると、まだまだ太陽が上がりそうにないほど早い時間だということがわかる。

 う~ん、まだ眠いのに...。どうして今日はこんなに早いのかしら?


「なんできょうはこんなにはやいの?」


 そうナナに聞いてみると、前に、急に鳥が飛んできたときみたいな、驚いた顔をされる。数秒経ってからそんな様子は完全に消えたけど...わたくしが何かおかしいことを言ったのかな?起きたばっかりでそんなことを考えていると、すぐに答えがナナからかえって来た。


「今日はお嬢様の3歳の誕生日であり、大切な儀式の日ですよ」

「ぎしき?」


 なんのこと?


「......あ!おもいだした!」


 そうだった!今日は儀式をやる日だってお父さまから言われていたのだったわ!

 わたくし、アリエステア・ヴェロッカスは今日で3歳の誕生日。そして、ヴェロッカス家に生まれる子息・令嬢は3歳になる日には「魔力の儀」という、神殿で魔力を神から受ける儀式をするという決まりがある。

 つまり、わたくしは今日、魔力の儀をする日なのです。

 他の家の子であれば、アイリエスト学園、魔法を学べる貴族の学園に入る7歳の時に、自分の持っている魔力の属性とか相性が分かる、「洗礼の儀」と同時に魔力を受け取る。でも、ヴェロッカス家に生まれた人はみんな魔力の量が多くて全属性だから、みんなより先に3歳で一部の魔力を受けておかないと、一気に増える魔力の量が多すぎて死ぬらしい。

 あと、王族も同じように魔力の儀をするんだって。でも王族は魔力と一緒に特別な能力を一つ、神さまから授かるみたい。

 さすがに王族ほどうちの一族はすごくないけど、国の中でもそんなに多くない公爵家だからね。

 ちなみに他の公爵家だと騎士の一族とかが多いけど、いっぱい魔力を持つ家はそんなに多くなくて、うちがダントツで一番だって。だからヴェロッカスの人だけ、魔力の儀を3歳になったときにやるの。


「思い出されたようですね。では、さっそく支度をはじめましょう」

「うん!」

 

 今日は儀式の日だから、いつもは夜にしかお風呂に入らないのに朝からしっかりと体を洗われて、いつもの着替える段階までたどり着いたときときにはもう太陽が空に昇り始めていた。


「ナナ、ノラン、すこしつかれてきたわ」

「あとは衣装と髪なのでもう少し頑張ってください」

 

 そうノランに諭されながら、ナナの持っている衣装に腕を通す。今日の衣装は白い生地の上に、光に当たると虹色にキラキラする薄くてつるつるする透けている布が重なっている。


「今度はお座りになってください」

 

 やっと座れるよ。まだ儀式はこれからなのに、もう、少しふらついてきている。

 原因は起きたばっかりだというのもあると思うけどね。

 そう思いながらナナに引いてもらったいすに寄って、ちょこんと座る。


「では、これからアップにしていきますね」

「は~い!」

 

 魔力の儀と洗礼の儀は両方髪をアップにしないといけないから、いつもは下ろしている髪を今日は上げてもらう。ちなみに魔力の儀だと服も布が指定されているの。


「いつも思いますが、お嬢さまの髪はサラサラできれいですね~」

 

 後ろで髪を丁寧に梳かしているナナから聞こえる。


「はい、終わりましたよ~」

「わぁ~!ありがとう、ナナ」

 

 さっそくわたくしは立ち上がって、くるりと一周回ってみる。すると、体の動きに合わせてドレスが七色にキラキラと輝く。

 このドレス、すごくきれいね!まるで虹をお空から取ってきてドレスに入れた見たい。


「お似合いですよ、お嬢さま!」

「お嬢さまの、ほんのりと虹色のかかったシルバーの髪にドレスがあっています。そして、旦那様が選ばれた、海の色をしたリボンが瞳の色にそっくりです」

「りぼん?」

 

 そんなの聞いていないけど、どこにあるのかしら?


「ナナ、ノラン、どこにあるの?」

「お嬢さまの髪にねじりこんであります」

 

 髪?

 ノランに言われて鏡で後ろを見てみると、そこにはノランの言った通り、わたくしの目の色にそっくりのリボンが中に向かってくるくるねじられていて、前からはぜんっぜん気が付かなかったけど、先っぽが少し垂れていたみたい。

 思わず自分の顔がほころぶのを感じながら二人へ振り返る。


「すごくかわいいわ!ナナ、ノラン、ありがとう!」

「それは旦那様に申し上げてください。私たちは従っただけです」

「そうですよ、もう出なければならない時間なので下の階へ参りましょう」

「ええ!」

最初のチャプターは短めです。

この物語の世界観が伝わりやすいように、しばらく、こう、何も知らないときのアリエステアが続くので、気長にお待ちください。

ちょくちょく出てくる独特な変な言葉遣いは、まだ3歳だという部分を表現するためなので、無知な部分が終われば消えるはずです。

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