聖剣と魔剣の二刀流は男の憧れ
「…………なんというか、もっと早くに創っとけばよかったな」
俺はそう言いながら、右手に持っている黄金色に輝く聖剣に目を落とした。
《極聖剣》
はっきり言って、この剣を創造しなかったら俺は負けていただろう。
逆に言えば、いくら弱点属性とは言えあの黒い鶏を圧倒することができたのだ。
その力は【ダークネスドミネーション】すらをも凌駕するだろう。
正直、この剣があればどんなやつにも負ける気はしない。
ちなみに、【ダークネスドミネーション】とは元となったゲームが違う。
どちらが最強かという議題はあったが、結局結論は出なかったことを覚えている。
いや、だが――
40階層のボスですらあれだけ強かったんだぞ? 最下層ってどんだけ強いんだよ。
アリスのやつ、このダンジョン攻略させる気無いだろ。
《でも、加減はしたほうがいいよ。もしかしたら崩落するかも》
「……だな。それは俺も思った。次は気をつけるよ」
俺はそう言いながら目の前の光景を見た。
地面は大きく抉れ、一部は下の階層が見えてしまっている。
そして壁はその九割が消滅していた。
この消滅していたというのは何も比喩ではない。
文字通り消滅したのだ。
現にこの場には瓦礫のひとつも残っていない。
唯一魔石だけは残っているが、これは俺が意図的に残したものだ。
これは全て《極聖剣》の能力であり、それこそが俺が最強だと思った理由だ。
この聖剣にはメインとなる能力が二つある。
一つは光を生み出し操ること。【ダークネスドミネーション】の光版だと思ってくれていい。
そして二つ目、これこそが本当の理由だ。
――光に触れた対象を消滅させる。
まさに最強と呼ばれるにふさわしい能力だろう。
万物を対象とできるが、当然消滅させる対象を指定することもできる。魔石が残っていたのはこれのおかげだな。
付け加えて、俺のイメージ補正のおかげで威力もその規模も桁違いに上がっている。
はっきり言ってゲーム時の原型はとどめていないように思えるが……まあ、強いに越したことはないよな。うん。異世界に著作権なんてないし。気にしない気にしない。
俺は残っていた魔石を拾い上げ、【アイテムボックス】に収納した。
さて、
「それじゃあ、体力も回復したし次の階層に進むか。なんだかんだ言ってラスト10階層だからな。さくっと攻略して星野を連れ戻すぞ」
《ん、了ー解。でも、その前にステータスはチェックしておいたほうがいいよ。あの鶏を吸収してるから》
「あっ、そっか。そう言えばそうだな。今のうちに見とくか」
《ん、それがいい》
俺は右手を正面で払い、ステータスを表示した。
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八重樫扇 17歳 男 人間 レベル78
・筋力:471900
・魔力:457730
魔法
『生活魔法』『火魔法』『土魔法』『風魔法』『自爆魔法』
能力
【ダークネスドミネーション】【スノードロップ】【ヒガンバナ】【雷撃】【雷纏】【雷操作】【闇撃】【闇纏】【闇操作】【闇化】【闇増幅】【闇創造】【火炎弾】【空気弾】【麻痺弾】【麻痺霧】【麻痺牙】【睡眠弾】【睡眠霧】【睡眠牙】【猛毒弾】【猛毒霧】【猛毒牙】【剛腕】【重腕】【剛脚】【重脚】【剛撃】【重撃】【超硬化】【金剛】【威圧】【咆哮】【樹木操作】【縮地】【熱源感知】【気配感知】【魔力感知】【魔力操作】【催眠】【精神操作】【精神攻撃】【幻影】【隠密】【隠蔽】【気配遮断】【斬撃】【切断】【サイズ】【完全回復】【超再生】【融解】【超吸収】【物理耐性:大】【魔法耐性:大】【状態異常無効】【筋力増強:大】【形状変化】【分裂】【スライム操作】【空間転移】【反射板】【武装】【暗視】【遠視】【跳躍】【飛翔】【超音波】【超聴覚】【石化】【擬態】【粘糸】【鋼糸】【斬糸】【腐食】【加速】【速撃】【連撃】【肉体活性】【制限・解放】【限界突破】【アイテムボックス】
権能
《創造主》《死霊吸収》《超高度AI》《スライムボディー》《闇ノ支配者》《暗黒物質》《極聖剣》《――――》
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お~……お? また、《――――》があるな。
タイミングからして闇系の”能力”を統合するんだろうな。
《超高度AI》の時のことを考えると、今回も統合しておいたほうがいいんだろうか。
ま、その前に一応何を統合するのか確かめないとな。
そう思い、俺は《――――》をタップした。
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《――――》:以下の”能力”及び”権能”を統合して獲得可能。
能力名/【ダークネスドミネーション】
【闇撃】
【闇纏】
【闇操作】
【闇化】
【闇増幅】
【闇創造】
権能名/《闇ノ支配者》
《暗黒物質》
獲得しますか?
《YES》――《NO》
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えっ、”権能”まで統合するのか。
いや、それよりも【ダークネスドミネーション】、だと?
これもしかしてとんでもないものが出来上がるんじゃないか?
それこそ世界滅ぼせるレベルのブツが出来上がるのではなかろうか……。
ゴクリッ、と喉を鳴らす。
…………俺は好奇心に勝てなかった。
――《YES》で。
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八重樫扇 17歳 男 人間 レベル78
・筋力:471900
・魔力:457730
魔法
『生活魔法』『火魔法』『土魔法』『風魔法』『自爆魔法』
能力
【スノードロップ】【ヒガンバナ】【雷撃】【雷纏】【雷操作】【火炎弾】【空気弾】【麻痺弾】【麻痺霧】【麻痺牙】【睡眠弾】【睡眠霧】【睡眠牙】【猛毒弾】【猛毒霧】【猛毒牙】【剛腕】【重腕】【剛脚】【重脚】【剛撃】【重撃】【超硬化】【金剛】【威圧】【咆哮】【樹木操作】【縮地】【熱源感知】【気配感知】【魔力感知】【魔力操作】【催眠】【精神操作】【精神攻撃】【幻影】【隠密】【隠蔽】【気配遮断】【斬撃】【切断】【サイズ】【完全回復】【超再生】【融解】【超吸収】【物理耐性:大】【魔法耐性:大】【状態異常無効】【筋力増強:大】【形状変化】【分裂】【スライム操作】【空間転移】【反射板】【武装】【暗視】【遠視】【跳躍】【飛翔】【超音波】【超聴覚】【石化】【擬態】【粘糸】【鋼糸】【斬糸】【腐食】【加速】【速撃】【連撃】【肉体活性】【制限・解放】【限界突破】【アイテムボックス】
権能
《創造主》《死霊吸収》《超高度AI》《スライムボディー》《極聖剣》《暗黒魔剣》
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《暗黒魔剣》か。
なんとなく【ダークネスドミネーション】が元になるんじゃないかなぁとは思ったんだが、…………これ、効果を見る限り本当にとんでもないぞ。
【ダークネスドミネーション】のもともとの能力に付け加えて、統合した他の”能力”と”権能”の効果まで追加されている。
しかも、”権能”になったことでその性能は跳ね上がり、もはや《極聖剣》に勝るとも劣らない。
ヤバイ化け物が誕生してしまった。
試し打ち――はここじゃ無理だな。そろそろ階層がなくなる。
お楽しみは50階層のボスにとっておこう。
そのときは《極聖剣》と《暗黒魔剣》の二刀流で戦うとしよう。
当然、第一目標は星野の救出だが、こればっかりは譲れない。
俺も男だからな。こう言う聖剣と魔剣の二刀流とか憧れるんだよ。
それができる環境が目の前にあるんだぞ? しかも立派な的まで用意されてるときた。
そうとなればやることは一つだろう。いや、この状況でやらないという方がバカな話だな。
そうと決まれば善は急げだ!
「ラプラス! 全速力で最下層に向かうぞ! 超高速ショートカットだ!」
《ん! 了解! 細かい調節は任せて!》
「おっけ、任せた!」
そう言いながら俺は超が付くほどのハイテンションで40階層ボス部屋を後にした。




