ショートカット機能
今回は短めです。
すみません。
不慮の事故でボスがお亡くなりになられたので、軽く手を合わせた後ささっと先へと進む。
扉を開けた先にある通路を歩いていくと、少し広々とした空間に出た。
転移ポータルのある部屋だ。
この部屋だけは他の階層と違い、ごつごつとした洞窟のような感じはしない。
どちらかと言えば遺跡のような感じだ。
ある程度は整えられているので比較的歩きやすい。
「さて、と」
俺はチラリと奥へと視線を向ける。
そこには31階層へと続く階段があった。
「………………」
俺は考える。
また、あの方法で降りるのか。
……やだなぁ。
痛いし、怖いし、何よりまたあの速度まで上げるのが面倒くさい。
何か他の手はないのか?
もっとこう、なんというか、ショートカット機能みたいなやつがさ。
ゲームとかにあるじゃん。
隠し部屋にいる裏ボス倒したら一気にショートカットできる転移ポータル的なやつが使えるようになる……みたいな。
「と言うわけなんだ。ラプラス、そんな感じのやつない?」
俺は飛ばされないように服の中に潜っていたラプラスに声をかける。
すると俺の服の中から顔を出したラプラスが考えるように指を顎に当てる。
《ん~、隠し部屋自体はあるけど、ショートカットできる転移ポータルはないよ》
「ないのか」
《ないね~》
「はぁ……ないか~」
そう言われて俺は軽くため息をついた。
まあ、そんなに都合よくは行かないよな。
わかってたけど、少し期待もしてたから思いのほかがっかりしている。
と言っても、ないのは残念だけど俺としては新しい魔物のステータスは吸収すしておきたいしな。
これはこれでいいか。
とは言え、先ほども言った通り少しばかり面倒くさい。
魔力的にはすでに完全回復しているが、精神的にきついのだ。
いくらジェットコースターが好きな人でも何回も連続で乗るのはきついだろ?
そんなものだよな?
でも、星野のことを考えるとそうも言っていられない。
今頃どんな目にあっているかわからないからな。
ユリスに限って変なことはしないとは思うが、完全に信用しきるのもダメだろう。
出来るだけ急いだほうがいいはずだ。
俺は頭の中であーだこーだと考えながら、先ほどと同じ方法で行くことを決心した。
「はぁあああ、よし。行くか」
《ん、待って扇》
「うん? どうしたラプラス?」
《もう少しで終わるから》
「終わる? 何が?」
《さっきの扇の動きの解析》
「それが終わると何かが変わるのか?」
《変わる》
俺がそう聞くと、ラプラスは頷きながら、確信を持った顔でそう言った。
「何がどう変わるんだ?」
ラプラスに質問する。ラプラスがこれだけ時間をかけてているということは、すごいことに違いない。
それも恐らく俺にとって都合のいいことだ。
だがなんだ?
この状況で良いことなんて限りなく少ないと思うんだが。
《ん、ちょっと待ってて…………完成したよ。データ送るね》
ラプラスがそう言うと俺の視界にファイルのようなものが表示された。
俺はそれをタップし、ファイルを開き中身を見る。
すると、そこに入っていたのはこの階層から50階層までの地図だった。
俺が記憶している地図とほとんど変わらない。
違うところと言えば、ところどころに赤い点が書き込んであるくらいだ。
「これは?」
《それはショートカットできる場所を書き込んである地図だよ》
「えっ、ちょっと待ってくれ。ショートカット? 出来るのか?」
《うん。かなり強引な方法だけど、できるよ》
「マジかよ」
それが本当なら攻略がかなり楽になるはずだ。
いったい何なんだ?
俺がそう思っていると、ラプラスは静かに答え始めた。




