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転生特典の権能《創造主》をもって異世界へ  作者: 葉ノ月サトゥー
第一章 王立魔法学院編  
8/177

無意識のうちに

ブックマーク&評価ありがとうございます!

これからも頑張ります!

  2日目



「おはようございます、扇様」


 目の前に銀髪ロングの美しい相貌の少女が立っていた。

 白を基調とした衣装はその美しい銀髪によく映えており、髪を耳に掛けるしぐさは見るものすべてを魅了するだろう。

 そう、例えるならば天使のごとき――


「……いや、実際天使だったわ…………あぁーそっか、異世界転生したんだったなそういえば」


 俺は異世界転生したという事実を再確認しつつ俺の発言に首を傾げているアイルにおはよう、と挨拶をした。


 いまだに実感がわかないというか、なんというか。

 快適に一日目を終えてしまったせいで「異世界に来た!」感があまり感じられない。

 特典の《創造主》とドラゴンが出てこなかったら未だに日本にいると勘違いしていたと思う。

 まあ、目の前に銀髪ロングの美少女がいるという事実がそもそも日本ではありえないのだが。


「朝食の用意ができております。こちらにお持ちいたしましょうか?」

「いや、リビングで食べる。先に行っててくれ」


 俺はベッドから降りながらそう伝えた。


 ああなんて素晴らしい朝だろう。

 美少女が起こしに来てくれるというイベントを体験できるとは。

 結婚したらこんな感じなのかな。

 もうこのままここで生活していいんじゃない?

 美少女と二人っきりで新婚生活。

 うん、嫌いじゃないよ。


 あれ、俺ってそもそも何のために異世界に来たんだっけ?

 冒険? なにそれおいしいの?

 ……ウソ嘘、ちゃんと王都を目指すよ?

 学校にも行ってみたいし、チート無双で充実した異世界ライフも送りたいし、何よりアイルとの思い出作りもしないとな。


 ハンガーに掛けてあった制服を手に取り、着替え始める。

 ちなみに今着ている服は創造で作ったジャージで、制服はだれでも使えるらしい『生活魔法』と言うものを使い洗濯し乾かしておいた。

 俺は上着に手をかけたくし上げ――――る途中で手を止めた。

 そして未だに出ていく気配のないアイルに視線を送る。


 アイルが部屋から出ていかないんですけど?

 俺先に行っててって言ったよね?

 なんか微動だにせずにこっちを見てるんだが?

 どういうことだぜ?

 いやまあ俺の着替えが見たいって言うなら見せることもやぶさかではないけどさ、何も言わずに見てるんだよ。

 さすがに少し恥ずかしいというか気まずいというか。


「あ、あの~アイルさん? どうして止まっておられるので?」

「はい、御着替えの手伝いをと思いまして」


 なるほど、手伝ってくれようとしてたわけだ。

 いつもなら「じゃあお願いしようかな」とか言う場面だが、昨日あんなことを言ってしまった手前それも憚られる。

 っく、仕方ない。

 ここはひとまず断るとしよう。

 非常に残念だ。


「着替えは一人でできるから先に行っててくれ」

「……かしこまりました」


 アイルはどこか不服そうな雰囲気だったが、ここは諦めてもらうしかないよな。

 俺は小さく溜息をつき、素早く着替えを済ませた。

 そしてアイルのまつリビングへと足を向ける。


「っと、ステータスチェックするの忘れてたな」


 俺はいったん立ち止まりステータスプレートを出した。

 昨日は疲れていたせいでチェックする前に寝てしまったからな。

 今のうちにチェックしておこう。

 雷竜倒したしそれなりにレベルも上がってるんじゃないか?


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

八重樫扇 17歳 男 人間 レベル:28

・筋力:50842

・魔力:76390

魔法

『生活魔法』

能力

【言語理解】【ダークネスドミネーション】【雷撃】【雷纏】【雷操作】【剛撃】【威圧】【咆哮】【超硬化】

権能

《創造主》《死霊吸収》

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「いや、いやいやいや、は? いやっえ? どういうこっちゃねん」


 俺のステータスは異常なほど増えていた。

 きょどった挙句変なしゃべり方になったが仕方ないと思う。


 いやだってさ、5万って! 7万って!

 ”能力”も7つも増えてるよ!?

 ”権能”も増えてるし!

 

 ――ふぅ……大丈夫、もう大丈夫。落ち着いた。

 とりあえず確認だ。

 一応確認だけど、見間違いじゃ――ないよね。

 うん、わかってた。

 ちょっと言ってみただけ。


 さて! 冷静に分析していこうか! 

 レベルは、まあいい。

 レベル1でドラゴン倒したんだからわからなくはない数字だ。

 筋力と魔力は考えてもわからないから保留。


 ”能力”は……雷竜のか?

 だって【雷撃】とかあるし。

 問題はどうして雷竜の”能力”が――って”権能”か。

 だよね、これしかないよね。

 《死霊吸収》。確かタップで内容が見れるんだよな。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

《死霊吸収》:死者の魂を吸収し、自分の糧にする権能。神の権能《創造主》により創り出された。吸収可能なもの:技術、筋力、魔力、魔法、能力、権能。パッシブスキル。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 あぁうん、これだわ、間違いなくこれだわ。

 筋力と魔力の異常な上りもこれで説明がつく。

 つまりこの増えたステータスは雷竜の魂を吸収して糧にした結果ってわけだな。

 それはわかった。もう大丈夫だ。


 問題は”権能”だな。

 いつこんなものを創り出した?

 まったく記憶にないんだが……まさか無意識か?

 無意識のうちに『食べた相手の力を手に入れるとかよくね?』なんてことをイメージしてしまったのかもしれない。

 ……ありえすぎて怖いな。

 しかもパッシブって任意発動ですらないのかよ。

 ってことはこれから先、知らず知らずのうちにどんどん吸収していくってことだよな。

 それに合わせて俺のステータスも増えていく、と。


 なんだろう、悪い気はしない。

 むしろ便利というかチートっていうか、無意識ですごいものを創り出してしまった。

 …………まぁ邪魔になるようなスキルでもないしいいか!

 ほかのステータスも後で試そう。

 あまりアイルを待たせすぎるのも悪いし。

 面倒ごとは未来の俺がやってくれるさ!


 俺は未来の自分にすべてを丸投げし部屋を出た。


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