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全く否定できない

  19日目  攻略2日目



 一夜明けてダンジョン攻略2日目。

 俺たちは宿で朝食を食べた後、再びダンジョンの入り口前まで来ていた。

 

 昨日は途中で引き返したからな。今日はもっと下の方まで下りるつもりだ。っと、その前に、


「昨日は悪かったな、俺の事情で1日目を潰してしまって」 

 

 俺は昨日のことを改めて謝罪する。

 俺の謝罪を受けた3人は『またか』とでも言いたげな表情になる。アイルは相変わらずの無表情だ。ラプラスに至ってはいつも通り肩の上で寝ている。


「もう、それ何回目よ。もういいって言ってるでしょ? それにアレはあたし達のせいでもあるんだから」

「そうだよ扇君! 僕たちがスライムキングのことを教えなかったのが悪いんだよ!」

「ボクもそう思うよ。むしろ主様の人間らしい一面が見れてボクは嬉しいよ」

「扇様、たまには休息も必要かと」

「まあ、それはそうなんだが。俺のせいで4人に迷惑をかけたことに変わりはないからな」


 4人ではダンジョンに入れない。


 これはギルドの規則ではなく学校側が指定した規則だ。

 理由としては無駄な人死にを出さないためだろう。


 つまり俺が休んでしまうとダンジョンには潜れないのだ。これを迷惑と言わずして何という。


「わかったから。もう大丈夫よ」

「そう言ってもらえると助かる」


 俺は今日も頑張ろうと、心に誓った。

 いや、その前に言わなきゃいけないことがあるな。


「一ノ瀬。ヒトのことを人外みたいに言うなよ。さすがの俺も傷つくぞ」

「でも、事実だろう?」

「…………」


 全く以て否定できなかった。だって俺のステータスなんてとっくに人間やめてるし。種族名が人間になってることが不思議なくらいだ。

 いや、れっきとした人間なんだけどね? 

 

 そんなことを考えていると、俺はあることに気が付いた。


「俺が人外なら俺の力を使うことのできる一ノ瀬も人外だな?」


 盛大なブーメランを受けた一ノ瀬は一瞬の間、沈黙する。


「……今の言葉は訂正させてもらうよ。主様は正常だ」

「そんなに人外は嫌か」

「逆に好きな人はいるのかい?」

「さあ? 世界は広いからな。そんな奴もいるんじゃないか? 俺の知り合いにはいないけど」

「確かにそうだね。可能性はゼロではない。ちなみにボクの知り合いにもいないよ」


 

 俺と一ノ瀬のそんなやり取りがひと段落(?)つくと星野が口を開いた。


「もうすでに、あたしたちの一位は確定したようなものよ」


 その言葉を聞いて俺は首を傾げる。


「? どういうことだ?」

「そりゃあ災害級の魔物の魔石があるのよ? 昨日も似たような事言ったけど、その価値は計り知れないわ。少なくとも一ヶ月間、ダンジョンに潜り続けたところで超えられるような壁じゃないわよ」

「……あの魔石ってそんなに高価だったのか……」


 いや、災害級だからか? 

 ……まあ、なんだっていいが、そう言うことなら頑張って倒した甲斐があったな。

 おかげで”能力”も増えたし。

 

 ステータスはダンジョンに潜ったおかげでいよいよ凄いことになってきている。

 という事で公開しよう。これが俺のステータスだ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

八重樫扇 17歳 男 人間 レベル41

・筋力:138490

・魔力:156200

魔法

『生活魔法』『土魔法』『風魔法』『自爆魔法』

能力

【ダークネスドミネーション】【スノードロップ】【ヒガンバナ】【雷撃】【雷纏】【雷操作】【火炎弾】【毒弾】【空気弾】【剛腕】【剛脚】【剛撃】【威圧】【咆哮】【超硬化】【樹木操作】【縮地】【熱源感知】【気配感知】【魔力感知】【魔力操作】【催眠】【隠密】【隠蔽】【斬撃】【切断】【サイズ】【完全回復パーフェクトリカバリー】【超再生】【融解】【超吸収】【物理耐性:大】【魔法耐性:大】【毒耐性:大】【形状変化】【分裂】【スライム操作】【空間転移】【反射板】【武装】【暗視】【遠視】【跳躍】【飛翔】【超音波】【超聴覚】【石化】【擬態】【粘糸】【鋼糸】【斬糸】

権能

《創造主》《死霊吸収》《超高度AI(ラプラス)》《スライムボディー》

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ”能力”の増え方が尋常じゃない。あと筋力と魔力も。

 もはやチェックするのも大変なレベル。

 いくつかの”能力”は統合したが、それでもこれだけの数がある。

 流石は大迷宮と言うだけあって魔物の種類は豊富なようだ。戦うのが楽しみだな。


 とりあえず新しい”能力”は追々説明していくとして、ダンジョンに潜るとするか。

 昨日通った道はすべてマッピング済みだからすぐに三階層まで降りれるだろう。


 そう思いながら、俺たちはダンジョンへと踏み込んだ。








 十数分ほど歩くと、ようやく昨日、スライムキングと戦った場所に到着した。ようやくと言っても時間はかなり短縮されたけどな。

 

 辺りを見渡すとチビスライムが数匹だけ沸いていた。

 俺はそれを【融解】と【超吸収】を発動させて分解・吸収する。そして、吸収したモノはすべて《スライムボディー》にストックされる。

 さらに、【無限吸収】があるから、そのストックに限界はない。吸収したらしただけ強力な保険となる。

 なので魔物を見つけた時はできるだけ吸収している。魔石以外を分解するように設定しておけば、楽に魔石を取り出せるし一石二鳥だ。


 ちなみに【融解】とは【強酸】と【超分解】を統合した”能力”だ。

 簡単に言えば【強酸】強化版だな。分解する速度が上がったり、自由に操作できる範囲が拡大されたり。液体を出せる量が増えたり――そんなところだ。


 俺がスライムを吸収し終えると、今まで辺りをきょろきょろと見渡していた星野が口を開く。

 

「八重樫、アンタどんだけ記憶力が良いのよ。一度も迷わなかった挙句、最短ルートでここまで来れるなんて」


 信じられないといった表情でこっちを見ている。だがその表情には「またか」と言った呆れのような感情もうかがえた。


「いやいや、別に俺は記憶力がいいとかそんなんじゃないぞ。ただ、そう言う力があるって言うだけだから」


 そう。全ては《超高度AI》の力だ。俺の記憶力はほとんど関係ない。


「ほんとアンタって便利ね」

「褒め言葉と受け取っておくよ」

「べつに褒めたつもりはなかったんだけど」

「細かいことは気にするなよ。――それより、とりあえず先に進もう」


 そう言って俺たちは再び歩き始めた。

 それから数分ほど歩き回ったところで四階層へと続く階段を見つけた。

 俺は他のみんなに下りていいのか、と確認した後、満場一致で四階層へ下りることに決定した。

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