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VS スライムキング 後編

 俺は《超高度AI》の《並列思考》を発動させ、スライムキングの攻撃を避けながら考えていた。

 考えるのは当然あいつの倒し方だ。


 とりあえず思いついたことを片っ端から試すか? いや、さすがにこの猛攻の中すべてを試せるような余裕はない。

 できることなら絶対に倒せる一手にかけたい。


 その可能性があるのはずっと考えていた【ダークネスドミネーション】ゼロ距離ぶっぱだ。

 多分これが一番確実だと思う。ただ、ダンジョンが崩落する危険があるな。最終手段だ。

 

 次は威力の高い”能力”を全力で放つ、という案だが、これも現実的じゃないな。

 そもそも初手で【雷撃】を食われたし。全力で撃ってもあまり変わらないだろう。


 【スノードロップ】と【ヒガンバナ】を使えばいけるか? とも考えたが、やはり賭けの要素が強すぎる。

 ”権能”を使っている相手には効果が薄いだろう。逆に食われる可能性すらある。


 後は《創造主》だが、これもどうかと思う。

 《並列思考》のおかげで避けながらのイメージは可能だが、残念ながらあいつを倒せるイメージがわかない。

 イメージを形にする《創造主》にとってイメージできないというのは致命的だ。そんな状態で創造をしても相手を倒せない武器しか出来上がらない。これは《創造主》の弱点の一つでもある。

 そうなると必然的に既存の”能力”を使うしかないわけで……。

 

 ダメだ。考えても考えてもいい案が思い浮かない。

 ヤバいな、こいつもさっきから少しずつ速くなってるし。このままじゃジリ貧だな。


 俺はスライムキングのステータスを見た。すると筋力値が今も上昇し続けていた。

 その数値はすでに5000を超えている。どうりで速いわけだ。


 ……? あれ? 速くなってる? それっておかしくないか?

 

 《スライムボディー》なら戦闘の初めごろに発動を確認している。そしてその効果はあくまでも一時的だったはずだ。

 こんなふうに永続的に上昇し続けるのは流石におかしい。

 だったらどうして?


 そう考えた時、嫌な予感が脳裏をよぎった。

 そして《超高度AI》の力で爆発的に上昇している俺の思考はある一つの仮説を立てた。

 

 ……どうやら、悠長に考えている時間は残念ながらないらしい。早く倒さないと負ける。


 俺は【ダークネスドミネーション】の柄を握り直した。

 俺の予感が正しければ、スライムキングは現在進行形でエネルギーを吸収している。

 吸収元は恐らく俺だ。

 俺のはなった剣や”能力”を分解して吸収しているのだろう。

 オリハルコンの剣が分解されている理由はよくわからない。

 俺のイメージが弱まったか、スライムキングがオリハルコンを分解できるレベルにまで強化されているのか。

 

 まあ、そんなことはこの際どうでもいい。

 大切なのは早く倒さないとヤバいってことだ。もはや手段を選んでいる暇はないな。


 そう思うと同時に、俺は【縮地】に込めている魔力量を増やし、速度を上げた。

 同時に”能力”を発動する。


「【反射板】ッ!【アイテムボックス】ッ!」


 長方形の赤い板を魔力を多めに込めた状態で次次と作り出し、そのたびに収納していく。

 しばらくはこの繰り返しだ。反撃すると吸収される恐れがあるので、スライムキングの攻撃はただひたすら避ける。

 それと同時進行で【ダークネスドミネーション】にも魔力を込めていく。

 生半可な攻撃はできない。放つのは相手を確実に消滅させることのできる一撃だ。


 そして、ようやく準備は整った。

 同時に俺は【ダークネスドミネーション】を地面へと突き立てる。


「”ダークネスドミネーション”ッ!」


 刹那、薄暗いダンジョン内に満ちている闇が波打った。

 そしてスライムキングを中心として巨大な鞭のような闇が溢れ出し、触手とその身体を絡めとり丸めるように引き寄せて縛り上げた。

 

 俺はその闇が分解される前に【ダークネスドミネーション】を地面から抜き取り接近しつつ、【アイテムボックス】を開放し収納していた【反射板】でスライムキングを閉じ込めるように球体状に配置した。――――俺の正面だけを残して。


 俺はある程度近くまで移動するとその剣先をスライムキングに向けた。

 それとほぼ同時にスライムキングは闇の拘束を突き破り再び触手を伸ばそうとする。

 しかし、俺の方が一歩速かった。

 そしてニヤリと笑いながら技の名前を叫ぶ。


「”ダークネスライン”ッ!!」


  刹那、【ダークネスドミネーション】の剣先に直径5m程の魔法陣が出現し、漆黒の闇がとてつもない轟音を響かせながら直線に放たれた。

 範囲を抑えて、速さと密度そして貫通力を上げた一撃だ。


 スライムキングは形状を変化させることで身体を逸らした。が、さすがに完全に避けきることはできなかったらしく、その身体の一部は抉れていた。


 勝ったな。

 俺はそう確信した。ダメージが入っているのなら、もはや俺に負けの目はない。

 俺は瞬時に最後の【反射板】を作り出し、赤い板の檻に蓋をした。

 すると”ダークネスライン”は内部で反射し、再びスライムキングの肉体を抉る。それも一度ではない。

 【反射板】が壊れない限り永遠に反射し続ける。

 スライムキングにはもはや【反射板】に気を配る余裕はないようだった。


 しばらくして”ダークネスライン”の効果が切れ、同時に【反射板】が砕け散る。

 そこにはすでにスライムキングの姿はなかった。

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