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転生特典の権能《創造主》をもって異世界へ  作者: 葉ノ月サトゥー
第一章 王立魔法学院編  
40/177

美少女の上目遣いは反則だ

  扇 Side



 アイルの序列戦終了後、俺は部屋でアイルをねぎらっていた。


 ちなみに今回、星野と藤原は不参加だ。理由としては思いのほか序列戦が長引いたせいで寮の外出時間を過ぎてしまったと言う訳だ。


 こうして部屋の中にいればバレないが、外に出たら一発アウトなのでみんな外出は控えている。

 確か見つかったらペナルティーがあるとか何とか。詳しくは知らない。


 その点で言えば【空間転移】ってほんとに便利な”能力”だと思う。


「お疲れ様」

「はい、なかなか戦いがいのある相手でした」

「だな。俺最初の一撃で終わったと思ったよ」

「確かに、最初の『弾光剣』を無傷でさばききったことには私も驚きました」

「そうそう『弾光剣』。というかあれってもしかして?」

「はい。扇様の【ソード・レイン】を模して私が作りました。その……いかがでしたでしょうか?」


 アイルは上目遣いでそんなことを聞いてきた。相変わらずの無表情だが、それでも可愛い。とてつもなく可愛い。美少女の上目遣いは反則だと思います。


「う、うん。凄くよかったよ。あれいつか俺にも教えてくれるか?」

「! はい。もちろんでございます」


 そう言ってアイルは恭しく頭を下げた。


「ま、何はともあれお疲れ様。明日は休日だからゆっくり休んでくれ」

「ありがとうございます」

「あ、いや、ちょっと待って、聞きたいことがあったんだった」

「? 何でございましょうか?」


 俺が呼び止めると、アイルは首を傾げてそう返した。


「いやな? 結局相手の”能力”は何だったんだ?」


 いくつか自分でもそれっぽいやつを考えてみたが、結局一つには絞れなかったからな。できればはっきりさせておきたい。


「扇様はどの様な”能力”だと思われますか?」


 おお、この返しは珍しいな。いつもあっさりと教えてくれるからこんな感じの返しは新鮮だ。悪くない。


「おっ、そう来たか。え~とな、俺が考えたのは”かなり高性能な魔力感知能力”もしくは”魔力に反応して自動で動く自動迎撃能力”……だと俺は思った。疲労が回復してたのはまた別の能力で、多分アイルの魔力を吸収してたんじゃないか? で、最後に使った一瞬で移動するやつは【空間転移】……か?」


 俺がそう言うとアイルはキョトンとした顔でこちらを見ていた。


「あれっ、全然違ってた? 結構自信あったんだけど」

「い、いえ。少し驚いただけで、間違ってなどおりません。さすがのご慧眼、感服したしました」


 それじゃあ……?


「はい。おそらく間違いないでしょう。私も正確な能力名などは分かりませんが、あの女子生徒が使っていた”能力”は扇様のおっしゃられた”自動迎撃能力”と”魔力吸収”、そして【空間転移】。この三つかと思います」


 おお、結構当たってたな。


 ただあの女子生徒はその実力もかなりのものだった。

 魔力を使っていなかったとはいえアイルの猛攻を”能力”なしで凌いでたくらいだからな。

 あれで序列149位っていうのは納得いかないな。今はもう違うけど。


 ここの序列は入れ替わり制。序列戦で負けた場合、二人の序列は入れ替わる。つまり相手の女子生徒は今序列最下位と言うことになっているはずだ。なむさん。


「そう言えばあの大剣の使い勝手はどうだった? 要望があったら遠慮なく言ってくれ。すぐに改良するから」


 そう、何を隠そうあの大剣は俺が作ったのだ。

 まだまだ試作段階で問題は多いけど、今回の試合でアイルが使ってくれたので一応どうだったか聞いておこうと思って。


 作り方としてはまず《創造主》で持ち手の所に鎖か何かの取り外し可能な物を付けた武器を創って、それを【サイズ】でキーホルダーと同じくらいの大きさまで小さくする。ただそれだけ。


 あとはその鎖か何かを取り外すと武器は自動的に元の大きさに戻る。再び鎖につなぎ直すとまた小さくなる。と言う仕組みだ。


 ちなみにアイルの大剣はネックレスタイプにしてある。


「そうですね。大剣自体に問題は感じられませんでしたが、もう少しチェーンの強度を上げることは可能でしょうか」

「あ~そう言えば、勢いよく取り外したらチェーンが切れたんだっけ」


 確かに強度は改良の余地ありだな。


「わかった。んじゃいっそのことオリハルコンにでもするか。色はそのままで材質だけ。そしたら強度は申し分ないだろ」

「申し訳ございません。扇様のお手を煩わせてしまい……」

「いいよ、いいよ。むしろ実験に付き合ってもらってるのは俺の方なんだから。で、他に何かある?」


 俺がそう聞くと、アイルは申し訳なさそうに言った。


「このネックレスにもう一つ大剣を付けてはもらえないでしょうか?」

「? 別にいいけど。予備に使うの?」

「いえ、私はもともと二刀流なので」


 そうだったのか。全く気付かなかった。


「ああそう言うこと。わかった、早速創るよ。あ~でもそれだとブレスレットの方が良くない? 両手首に着ける感じで」

「お任せします」

「オッケー」


 俺はそう言いながら《創造主》を発動する。

 そしてネックレスをブレスレットへと創り変え、その材質をオリハルコンへと創り変える。

 それをもう一組創造し完成だ。

 

 俺もだんだんと《創造主》の扱いに慣れてきた。もうこれで商売できるかもしれない。


「はい、アイル。また何かあったら言ってくれ」

「ありがとうございます。かしこまりました」

「おう。じゃあお休み」

「お休みなさいませ」


 そう言ってアイルは【空間転移】で自室へと帰っていった。


「ふぅ~~」


 俺はその後一息つき、ベッドで眠りについた。




 その後の3日間は特に何事もなく終了した。

 いや、何事もなくと言うのは語弊があるな。

 さすがに休日にまで試合を申しもまれた時は少しイラッとした。


 先日のアサシンたちも性懲りもなくやってきたし。

 だがそいつらに【催眠】をかけて得た情報としては、結局のところ黒幕は伊藤(いとう)洋祐(ようすけ)ってことだけ。

 全く割に合わない。もっと”能力”とかが知りたかった。


 まあ、何はともあれ今日ですべて終わるわけだ。


 そうして、俺は伊藤との序列戦当日を迎えた。

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