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転生特典の権能《創造主》をもって異世界へ  作者: 葉ノ月サトゥー
第一章 王立魔法学院編  
1/177

記念すべき第一号らしいです

初めての投稿です!

かんばるのでよろしくお願いします!

「おめでとう。あなたは記念すべき異世界転生者第一号に選ばれたわ」


 ソファーに座って俺を見下ろす黒髪ロングの美少女にそんなことを言われた。

 かわいい。一目惚れしそうなくらいかわいい。思わずお金払っちゃいそうになるくらいかわいい。これぞ美少女! といった容貌だ。かわいい。


 だがひとまずそれは置いておこう。

 あたりを見渡す。彼女が座っているソファー以外には、大きな天蓋付きベッドにテーブル、クローゼットなど。全体的に白黒の印象が強い。

 彼女の寝室だろうか?


 さて、聞きたいことはたくさんある。ここはどこ?とか、なぜうちの玄関に落とし穴が?とか、今日から放送開始のアニメ「獄炎のエデン」はどうだったのだろうか?とか、あれ、俺死んだの?とか。

 いろいろと聞きたいことはあるのだ。

 が、それよりもこの美少女が今何と言ったかが問題だ。

 八重樫扇(やえがしおうぎ)、高校二年生、趣味はアニメにマンガにラノベの鑑賞というオープンオタの俺としてはちょっと聞き逃せない単語が出てきた気がする。


「今、異世界転生って言いました?」

「言ったわよ? それも記念すべき第一号ね」

「マジっすか!?」


 やっぱり聞き間違いじゃなかった!

 これはもしかすると俺の時代が来たんじゃないか?

 異世界転生……いい響きだ。どれだけ憧れ焦がれていたことか。

 

 異世界……やっぱりハーレムかなぁ。

 人間の女の子だけじゃなくてエルフやドワーフ、ケモ耳っ娘ともふれあいたい。夢が広がるな。

 妄想に夢を膨らませていると、こほんっ、というかわいらしい咳払いが聞こえてきた。


「そろそろいいかしら? 八重樫扇くん。私はアリス、万能の女神よ。よろしく」

「ああすいません。俺は――って俺の名前知ってるんですね」

「あなたを指名したのは私だもの。知っているのは当然でしょう? あと、敬語は必要ないわ」

「えっ、そうか? それじゃあお言葉に甘えて。それで、指名っていうのは?」

「それも含めて今から説明するわ」


 話をまとめるとこういう事らしい。

 神界で最もえらい神様である万能の女神アリス様は、今下界ではやっている異世界転生というものに感銘を受けたらしい。


 そこで、万能神としての全権限を駆使して転生システム《エデン》を完成させたそうだ。

 《エデン》の完成後、異世界転生者第一号を誰にするか下界を見ていたところ、ダッシュで帰宅中の俺を見つけ指名したらしい。

 俺が異世界転生したがってたっていうのも理由の一つ。

 その後、うちの玄関に神界へとつながる落とし穴を設置し、俺をここに落とした、と。


 ざっとこんなところらしい。

 ちなみに俺が今いる場所はやはりアリスの寝室だそうだ。


 甘い匂いがする。

 癖になるような、ずっと嗅いでいたいと思える匂いだ。

 と言うか、初めて入った女の子の部屋が神様の部屋っていうね。

 誰かに自慢してやりたい気分だ。


「これが表の理由ね」

 

 どうやら裏の理由があるらしい。

 それが何かまでは説明してくれなかったが。


「それで、俺はこれからどうしたらいいんだ? このまま転生?」


 別にそれでもかまわないが。


「そうね、と言いたいところだけれど、少しだけ私に付き合ってくれないかしら。神様というのも思いのほかつまらなくてね、息抜きをしたいのよ。ダメかしら」

 

 アリスは懇願するように頼んできた。

 美少女にこんな頼まれ方をして断れる男がいるだろうか?

 答えは否だ。かわいいは何事よりも優先される正義なのだ。間違いない。


「いいよ。別に急いでるわけじゃないし。こんな美少女と一緒にいられるならいくらでも付き合うよ。むしろこっちからお願いしたいくらいだ」

「ふふ、ありがとう」


 そう言って彼女は微笑んだ。



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