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16.ドラゴンの畏怖

アレクシスは、クリスタルオリハルコンドラゴンとともに、外へと移動した。

どうやったかというと、クリスタルオリハルコンドラゴンの転移魔法を利用されてもらったのだ。

意外と話のわかるドラゴンだなぁとアレクシスは思いつつ、脳内で、戦闘シミュレーションを行っていた。

三分間持つくらい行けるだろうと思っていたら、全然いけそうになくて焦りはじめている。


「こうなったら、唐突に新しい力に目覚めないとですねー」


アレクシスはつぶやくも反応はしてもらえない。

ちらっと周りを確認すると、先程までの地点から結構離れているように見えた。遠くで優の魔法による爆発が見えるからだ。

改めて、クリスタルオリハルコンドラゴンを見ると、こちらの準備を待っているようだ。


「強者の余裕、ですかねー。では、あまりお待たせしても悪いですし……ウェイクアップ、アクアマリン!」



アレクシスは左手のひらを顔の前に持っていき、セリフとともに手の平を自分の顔の方に向ける。すると、アレクシスの左手の甲にスフィアが現れ光り輝き、変身が開始される。

アレクシスの見た目が13歳位に変わる。身体は縮むものの、スタイルはあまり変わらない。

そのまま右足、左足、左腕、右腕、残りの胴体と流れるように青と緑を基調とした魔法少女の衣装が現れていく。

衣装が現れきったところで、髪の色が銀色へと代わり、青と緑のガントレットが現れアレクシスは両手をそれぞれに突っ込み目を開けた。

その瞳は、絶対零度を意識するような青白い色に変わっていた。


「凍えるような雪の夜。一人じゃ寂しいときもある。

だからこそ煌めこう、星の光と共に

だからこそ力を貸そう、信念の焔に

故に私は、それらと共に歩み輝く

魔法少女アクアマリン。

この拳が野望を打ち砕きます」


口上が終わり、フォームチェンジを考慮する。ノーマルのままでは空中戦ができないからだ。

しかし、何よりもまずは、戦闘開始状態になる必要がある。変身しても動かないところを見ると、最初の一撃は受けてくれるということだろう。

ならば、アレクシスは自身が最も得意な攻撃をするだけだ。

アレクシスの魔法力の高鳴りに応じるように、ガントレットがうなりを上げる。

戦闘中にガントレットが魔法力をとりこみ、性能を上げていく作りとなっているのだ。

アレクシスは足元に魔法陣を展開し、そこを蹴って跳びドラゴンへと立ち向かう。

唸りを上げているガントレットに、魔法陣を展開しさらに魔法力を与える。


「アイシクルバースト!」


アレクシスが右手で殴りかかると、ガントレットを中心に氷の力が放出される。


アイシクルバースト。

氷系魔法で、吹雪を一点集中させたかのような強烈な力を誇る。本来は遠隔魔法である。


アレクシスはそのまま左手を大きく振りかぶる。するとガントレットを中心に竜巻のような風が生じる。


「ハリケーンドリル!」


ハリケーンドリル。

風魔法で、竜巻を纏った拳で殴るシンプルな魔法だ。シンプル故に魔法力次第で強さが変わる。

ただ、風魔法使いは大抵下級魔法少女の場合が多いので、あまり活用されていない。


二つの魔法で、クリスタルの突破を試みるが、表層に傷がつくくらいで、中々思うようにいかない。

アレクシスは、一旦ガントレットから発する風を利用して距離をとった。

すると、ドラゴンがついに動き出した。羽ばたき飛翔したのだ。

アレクシスが次の行動に移る前に、ドラゴンの口からレーザーのようなブレスが放出される。

一瞬の出来事だった。

地面は広範囲で溶解し、跡形もなくなっていく。

だが、そんな中、アレクシスもまた飛翔するのだ。


「危ない危ない。何とか間に合いましたー。ワイバーンフォーム」


アレクシスの衣装のカラーリングが緑多めになり、ドラゴンのような翼が生えている。ガントレットはランスへと形状を変えていた。

これこそ、魔法少女アクアマリンワイバーンフォーム。

高速空中戦を行う為のフォームだ。


これには、ドラゴンも驚いた様子が伺えた。何故なら最初の二撃で評価し、先程のブレスで終わらせるつもりだったのだから。

だが、目の前には傷一つないアレクシスが悠々と飛んでいる。

面白くなりそうだとドラゴンは思ったのかもしれない。

だが、アレクシスは実はギリギリだった。後僅かにフォーム選択する時間が遅れたら間に合わずに切札を切っていた事だろう。

それほどまでに差は大きいのだ。戦闘するために、威力より生存率を上げる選択をしていく必要がある。


「さぁ、まだまだこれからですよー?」


アレクシスの精一杯の強がりは自身を鼓舞するのだった。

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