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15.そのもの全力全壊

ちょっと戦闘続きます

「ウェイクアップ、ガーネット!」


優の声とともに、優のうなじ辺りにスフィアが現れ光り輝き、変身が開始される。

優が目を閉じるとともに見た目が13歳位に変わる。身体は縮み、代わりに髪は伸び、小さい子供くらいなら隠せそうなボリュームだ。

そのまま右足、左足、左腕、右腕、残りの胴体と流れるようにピンクのひらひらな魔法少女の衣装が現れていく。

衣装が現れきったところで、髪の色が金色へと代わり、最後にオーソドックスな、羽の生えた杖が現れ、右手で掴み、優は目を開けた。

その瞳は、燃え盛る炎のように紅く煌めいていた。

同時に赤い魔法陣がいくつも展開される。優の詠唱破棄魔法がいくつも待機状態になっているのだ。


「ど派手にいきます! エクストラフレイムブレイカー!!」


見た目に引っ張られてなのか、優の口調が丁寧なものに変わる。

見慣れ聞き慣れている調査員達も、思わず立ち止まってしまう強力なギャップだ。

しかし本来の優の口調はこんなものであり、アレクシスなどの気心のしれた友が近くにいるときだけ口調が砕けるだけなのだ。


エクストラフレイムブレイカー。

炎属性の魔法であるフレイムブレイカーをもとにランダムで属性付与をした範囲殲滅攻撃魔法である。

滅びの炎とも言われる、大きな炎の渦がうねるように対象のエリアを蹂躙する様、生存者の戦闘意欲を大きく削ぐこともある。


「まだまだいきますよ! 煌めけ、フレアバーストノヴァ! ドラグーンファイアー! フレイムキャリバーフルバースト!!」


フレアバーストノヴァ。

炎属性の極太魔力砲であり、優の初期決め技だ。

太陽のフレアのような光を帯びて、あらゆるものを溶かすさまは全力全壊の称号にふさわしい。


ドラグーンファイアー。

炎属性の範囲攻撃魔法であり、ドラゴンの吐く火炎放射状の炎をイメージしていると言われている。


フレイムキャリバーフルバースト。

フレイムキャリバーと呼ばれる火で出来た剣を、空中に無数に召喚し、それを雨のように敵へぶつける魔法だ。


これらの魔法で機械竜騎兵は大きく数を減らしていく。まだ距離があるので、優が一方的に蹂躙し続け、機械竜騎兵が補充され、を繰り返す形になっている。


「まだまだいきますよ。これくらいの数でどうにかできると思ったら大間違いなんだから!」



一方、アレクシスは連れて行った調査員と別れて、探索を進めて製造プラントを探していた。内部にいる敵の数が減った為、連れ立って動くより別れて行動した方が、安全で効率がいいためだ。

時折、遺跡が揺れる為、外で激しい蹂躙が続いているのを確認できる。

遺跡の中は、レンガのような形の素材で構成されており、それのすべてが大理石のような見た目で、音が反響する素材のようだ。ところどころ光る何かも埋め込まれており、明るさも十分だ。


「製造プラント発見して早く出ないとですねー。陽動の為とはいえ、これだけ暴れていたら入り口塞がりそうですし」


そんな、心配をしつつ、アレクシスはスフィアで、調査員達の動きを確認した。

スフィアにより、ミニチュアで再現された立体映像を確認し、他で救援が必要な程の戦闘は起きていないということを目視する。

戦っているのなら、合流しないと危険だからだ。


「大丈夫ですねー。ところでここはどこでしょう?」


立体映像と自分の通ったルートを照らし合わせ、まだ来たことないエリアだと判断する。最深部でもない為、製造プラントへの扉が隠されている可能性もあるし、他のものが出る可能性もある。

アレクシスは、壁をペタペタと触り、隠し扉を探る。

すると、一箇所押し込めそうな箇所を発見する。押し込んで見ると、さらに地下への階段が現れる。


「当たり、ですかねー?」


アレクシスは、恐る恐る階段を進んだ。

二百段位下っただろうか、次の扉が現れた。それをアレクシスは躊躇いもせず気軽に開けた。

するとどうだろうか、ひときわ大きな結晶が視界を遮る。

同時に暴力のような魔法力が充満していることに気がつく。

むせるような感覚に襲われたアレクシスは状況把握に務める。


「これは…大当たりの方ですね。それもかなりヤバそうな」


結晶を注視して全体を見回すと、龍の形をしていることと、結晶の装甲の内側に別の装甲と、心臓部に大きな青い炎の揺らめきが見えた。


「あちゃーまずいですねー。調査員に緊急脱出指示をっと」


緊急脱出指示伝達用のオーブを起動して、後ろに投げる。これで伝わるのだ。

十分な間をおいて、改めて結晶と対峙する。

こちらが動くのを待っていてくれたようだ。


「さてと、お待たせしてすみませんー。ここだと狭いからお外でやりあいませんかー? 結晶さんもお家が傷つくのお嫌でしょ?」


結晶が、呼応するようにきらめいた気がしたので、アレクシスは肯定と受け取った。

最も外に出たところで、一騎打ち状態に違いはないが、遺跡内で崩落の危機がある状態よりはやりやすい。


「では、いきましょうか。クリスタルオリハルコンドラゴンさん」


クリスタルオリハルコンドラゴン。

神話の時代に暴れていたとされるオリハルコンドラゴン。それが数万年以上生きて成長すると、クリスタルオリハルコンドラゴンへと進化を遂げる。

死の概念もなく、強さも神話級だ。並大抵の魔法や兵器ではクリスタル外殻を突破すらできないだろう。

近年の観測では、飛来した宇宙怪獣を倒したり、紛争地帯をまるごと地図上から消したり、山脈で他のドラゴンを蹂躙したと言われている。

あわせて、一対一の戦いをした場合、三分したら相手に敬意を表し、どこかへ飛んでいくのだと言われている。


そんな、クリスタルオリハルコンドラゴンを真っ直ぐ見据えて、アレクシスは笑っていた。

勝てる勝てないではなく、純粋に強者と闘える。圧倒的な強さのドラゴンと一人で闘えるという状況から自然に出た笑みだろう。

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