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0.プロローグ

不定期投稿になると思います。

魔法少女王。

それは魔法の少女王に非ず、魔法少女の王である。

未だ誰も至っていない幻の頂点。

これはそんな魔法少女王に最も近い男の話。



夏の夜、月明かりの下で女性が一人、夜の川辺を散歩をしていた。

街中とくらべこの辺りは、近年の戦いの痕跡がそこかしらに残ってはいるものの、散歩をする分にはそこまで気にはならない。いや、気にしなくなってきたが正しいのかも知れない。

地下勢力の侵攻だの、異世界からの侵略だの色々あったのだ。

それでも世間ではなんとなく平和だったり、そこそこ忙しかったりを繰り返している程度の認識らしい。

その女性は、一見高身長でクールビューティーな雰囲気を持っているが、ダメージジーンズに「実質ほぼ無課金」と書かれたクソダサTシャツを着ているため、雰囲気が台無しである。

彼女の名前は天道刹那てんどうせつな。正確に言えば彼女ではなく彼である。

小学五年生の時にとある事件に巻き込まれ、瀕死状態から救うため、

魔法少女の変身アイテムである「スフィア」を埋め込まれて以来、

副作用で女性となり、10年間魔法少女をしている。

何だったら今日がちょうど10周年の記念日だ。


「スフィア」というものの説明をしよう。

その原形は遥か昔、異世界より現れた魔法使い達が、自身の魔法力を塊として残していった物とされている。

現代ではその塊の一部を粉末にし、鉱物などと組み合わせた量産体制をとっている。

量産化されたことにより、より一人一人に最適化出来るように魔法少女システムも生まれた。

魔法少女システムの制御にスフィアを用いているのである。

魔法少女システムには魔法行使を最適化する機能が備わっており、使用者を保護する役目も持ち合わせていた。

無論、なくてもできる人はいるし、あってもできない人もいる。

ちなみに、魔法少女の見た目は初めて変身した時を基準に、変身している間の時間が加算されるのだ。

これのおかげで、今のなんとなくな平和を維持できている。


「んーー…! 今日もこれといった事件はない……かな? ま、この間大きな事件解決したばかりだしね。そうそう頻発されても困るか」


そう言いながら、刹那は目を閉じ魔法力の流れを感じ取る。

街の方から何人か同業者が動き回っている以外は特に感じない。至って平和だ。

同業者だとわかっているのは、敵対するような意志が感じ取れないからだ。

攻撃する際は、大なり小なりそういった意志が感じ取れるものである。

そんな思考を巡らせ、目を開けると遠くのビルが真っ二つになり崩れていくのが見えた。

その直後、先程までの魔法力の流れが、ピリピリとしたものに変わっているのを感じた。誰かが敵意をもって魔法を行使している時のものだ。


「んえっ!? 一体なにが? 嫌な予感がする…!」



刹那が急いで現場まで走って行くと、そこはビルが倒れ火の海の戦場と化していた。

刹息を整えつつ状況を確認すると、左手がチェーンソー右手が火炎放射器の機械化されたゴーレムが10体ほど暴れており、

魔法少女が3人で戦闘を行っている。ただ、有効ダメージは与えられていないようだ。

これは巡回がメインの魔法少女だからだろう。


「そこの3人! 状況を!」

「その声……金剛さん!! 一般人の避難は完了、相手は対魔法力コーティングされてるみたいで、私達では牽制位しか……!」


対魔法力コーティング。

魔法ダメージを軽減するという失われた技術だ。というのもコスパが悪く、整備性も極悪で一戦闘ごとに全取替の必要があるのだ。

ちなみに、金剛というのは魔法少女としての名前である。大抵の場合、スフィアの元となった鉱物名を使うのが慣例だ。

刹那はダイヤモンドのスフィアを使うので、金剛石からとって金剛と名乗っているのだ。


「避難終わってるならよし。ここは私に任せて戦いが終わった頃事後処理しにきて。

念の為、他にいないか探索よろしく」

「了解! お気をつけて」



刹那の指示とともに、3人が散開して探索に向かう。刹那の強さを知っているから出来る行動だ。


「気をつける……ねぇ。私を誰だと思ってるんだか。まぁ、さっさと片付けますか」

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