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第1話 これが俗に言う死に戻り
何かにぶつかった気がして車を降りると、猫が居た。
車に轢かれたはずなのに、傷ひとつない猫が居た。
その何の変哲も無いその猫が「ニャー」と鳴いたと思ったら、眩い光とともに猫は姿を消した。
違和感しかなかった。そしてそこで目が覚めた。
「夢オチかよ‼︎」
そういう叫び声と共に目を覚ました敷倉貴洋、こういう夢を見た時次の行動はもう決まっている。
「もう8時半じゃないか!遅刻確定だ。」
彼は遅刻しそうだからといって焦らない。そう、もう諦めているのだ。
ゆっくり朝の支度をし、始業5分前に遅刻の連絡をする。
そしてゆっくりと朝マックへと向かうのである。
そんなよくある1日を過ごすはずだったのに、いつものマックでそれは起こった。
そう、ゲームや漫画の世界ではよくある話が現実に起こった。
彼は、死んだのだ、そして死に戻った。あの夢で見た何の変哲も無い猫と出会った時に。