a
ただ誰かに愚痴を聞いてほしかった。
子供の頃、ぼくは全知全能の神様だった。
やりたいことは何でもできて、どこへでもいけて、なんだってできた。
先々で大人たちはぼくのことを褒めてくれるし生きることに苦労なんてなにひとつもなかった。
世界がキラキラして見えたし、田舎のクソガキの自分が世界の中心だって信じてた。
そうやって育ってきたからいっちょまえに夢を持ったし、自分は特別なんだって思ってた。
夢は叶うってみんな言うけど、結局何も叶わなかった。
ぼくの歌は誰も聞きたくないらしいし、ぼくの文章はだれも読まない。
なにかを創り上げる気力もない。
生きていたってなにも良くならないって気持ちを初めて知った。
少しずつ逼迫して詰みそうになる生活
毎日ご飯を食べるだけでなくなる給料
会えなくなって少なくなっていく友達
怒られ続ける仕事
1日の8割以上費やして誰にも褒められるでもなく、ただ頭ごなしに否定されるだけ
中古で2万で買ったパソコン
「俺のほうが大変だ」ってメールや電話
死んでしまいたい
今はパソコンを打つのが人よりちょっと早いだけしかない。
死ぬ勇気すらでない。
なにをすればみとめてくれるんだろう
ただ「たいへんだったね」って言ってくれるだけでいいのにね
家でひからびるまで寝ていたい