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the number  作者: ニイナ
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トランプ氏のパレード。大規模なデモ。最初の正義はデモをしている側の思想だったのが、今ではどちらが正義なのか分からない。正義と悪は表裏一体。デモ隊の行き過ぎた行動、トランプ氏の演説を見て思う。

「二週間の謹慎、坊主にするか、どちらかに。。」

金属の音にそそのかされ思うがまま感情を爆発させた後は決まって、それまで築いて来た物全てが崩れ去る様な喪失感と、後悔と言う穴に落ちた様な気分になる。多くの者、第三者はその出来事しか見なく、その背景など善悪を判断する材料にはならない。つまり私が怒りに身を任せてしまった、それまで積み重ねてきた原因なる物は全くもって無意味で、空腹に苦しんで盗みを働いた様なものだと言う事だ。例え、仕事がなくても、2、3週間飲まず食わずの上だとしても、精神的な疾患でも、それらは盗みの大義名分にはならないのだ。例によって私だけが処分の対象になる。謹慎処分中には家に居るかの確認の電話が毎日掛かってくる。「電話終わっても家に居ろよ?」と言う中途半端な処分。ある意味で今日は電話は掛けないと言っている様なもので、決まった時間に掛かってくる講師職の作業的な、なんとも心無い電話に彼等をさらに見下すのである。引っ掛けるように不規則な電話で「家に居ろと言っただろう!」と冗談交じりな事も無く、「謹慎処分中なのだからしっかり自分を見つめ直せ!」と説教じみた事もない。結局の所、私の謹慎処分など自分の職には利益も生まれないし、そして損しない様にだけとでしか考えて居ないのだ。15秒程の確認作業が終わり私は外に出る。人が行き交う、私が住まう町の、一番大きな駅の地下に向かう。駅の入り口の前に、地下へ降りるエスカレーター。駅には人が多いが、この地下には人が殆ど居ない。それは主要部の様に駅から駅に繋がった地下通路がこの前には無いからだ。少し広めのグラウンドぐらいのスペースが地下にあり、そこにはベンチ数脚と男女のトイレ。電飾はあるが駅や百貨店に比べると心成しか少し暗い。当時流行っていたポップスがカラオケの音楽だけの様にBGMとして流れてる。その地下で1日を過ごす。あの≪部員≫と同じクラスだと言う事実を変える術を考えながら。

謹慎処分が明けてからというもの教室に入る度どうにも空気感が変わるのが痛いほど分かる。事件前までは私の事を見る事すら考えていなかったのが、今では私の事しか考えれないのか?と言いたくなるほど恐れて居るのが分かる。人間は理解出来ない相手を恐れたり、差別したりする。それは逆に言えば、理解出来ていない相手が居るという事だ。ここで私が自分について少しでも話し、声、表情、感情を見せれば、今私が居るこの教室の、窮屈なまでの、動いてはいけないとでも言われている様な空気感は、少しは薄くなるだろう。だがこの教室でそれをする程私は歩み寄る人間ではないし、他力本願ではない。学年が変わるまで恐れたまま我慢しろ、と心の中で言い放つ。もう一つ変わったのが≪部員≫に睨まれる様になった。私が起こした事をその相手の部員が他の部員に事の顛末を話した様で、≪部員≫数人が、暇な単調な学校生活の中で、小さな刺激を得る方法として私を選んだらしい。その中で体の一番大きい奴が面倒な奴で、廊下をすれ違う度肩をぶつけてくるのだ。体が私の二倍はある。そんな奴の肩が、向こうの意識的にぶつけてくるのだから中々に痛さを感じる。もう一人は、デカい体の後ろに隠れる不細工な男。こいつは本当に心が顔に出てる男で、こいつ一人で私と出会うと逃げたり隠れたりする。全くもって意味が分からない。それなのに数人が一緒だと私を見下す様にこちらを見てくるのだ。なんとも滑稽でこいつを見てしまうと笑ってしまうので見ない様にしていた。女の前で粋がる者、など。デカい体が一番面倒だが一番心成る物を感じた。なので私もそのデカブツと遊びたくなった。今迄、私に手を出させようとして色々な事を仕掛けられてきたが全て無視していた。でも今日は走りやすい靴を履いてきた。視線の先にデカブツ。目が合った瞬間にデカブツの口角が上がったのを見た。「何見とんじゃ?デカブツ」と言い放つと、デカブツの眉頭も上がったのを見た。ダッシュで廊下を駆け抜ける私を追いかけてくる。私は声には出さなかったが楽しくて走りながら笑っていた。

寒くて寒くて、コンビニに行く事も億劫になってます。

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