私はヘンタイなのか?
「それは困る!」
男が岩から身を出し大きな声を上げていた。
「え?」
人間が振り向き男を見る。すると人間は目と口を大きく開き
「いやああああああああああああああああああああああああ」
と叫んだ。男はこれはついに食われるかと覚悟を決めた。すると
「なななななんで、なんで、なんでここに人が、そ、そして、なななんで、ふ、ふ、服着てないんですか!」
と何やらよくわからないことを叫ばれた。何を言っているんだ?ああ食う時にいつも言う殺し文句みたいなものか!男は覚悟を決めた。
「へ、へへへ、へ変態、変態なんですか!そ、そそそういう性癖なんですか!」
人間は何かよくわからないことを叫びながら私から遠ざかっていく。男は疑問を感じた。
「…私を食さぬのか?」
「いやあああああああああああああああああああああああああああああああ」
人間が今日一番高い声を上げた。やはり食われるのか、男は覚悟を決め、手をぎゅっと握り、目をぎゅっと閉じた。
「……んくう、やはり食われるというものは怖いものだな」
「いやああああああああああああああああああああああああああ!」
その声に男は目を開けた。そして人間を見た。人間は腰を抜かし、震え、動けなくなっている。
男は驚いた。これではどちらが食われるのか、わからなくなってしまっている。これではどちらかというと私が人間を食べる感じだ。
「…食わぬのか?私を…」
「助けてえええええええええええええ!」
人間がじたばたしてなきわめいている。男は疑問を感じた。どうなっている、またよくわからないことに…そうだ!
「私はどのように見えている!」
男がとても真剣に聞いた。
「いや…」
「私はお前にどのように見えている!」
「いやあああああああああああああああああああああああ」
「私は真剣なんだ!」
男が人間に顔を近づける。人間は恐怖に震え、こぼれまくる涙を拭きながら
「ぜ、ぜ、全裸の男で…ふがふがふが…へ、へ、変態に…変態に見えます」
「?」
男は混乱した。いつも通りであれば私は人間になっているはずである。だが今回はヘンタイ?という生き物に変わってしまったようだ。
「…私はヘンタイなのか?」
男は立ち上がり考えだした。すると女はふがふがと震えながら何かを取り出し、バリバリと音をさせた後にシュッシュッと何かをとり「ふごおおおおおおぶじゅぶじゅぶじゅ」と異音を発した。そして胸に手を当て深呼吸をして自分を落ち着かせている。
「今回の私はヘンタイなのか」
男がぶつぶつ言っている。人間は深呼吸をしながらバリバリシュッシュッふごおおを繰り返している。
そして十分ほどの時が過ぎた。人間は目と鼻を赤くしているが、泣くのをやめ、落ち着いてきた。そして人間が頑張って口を開いた。
「…あの!ごめんなさい、あの、私が…私が…あのう、目、目のやり場に…あのう…」
「どうした?」
「えっ、あのう…へんた、変態さんは、そのままの格好が…いいのかも、し、しれないですけども…わ、わたわたしは、どこをみていいのか、わからないので、そのお…も、もし、もしも着る服がないのなら、わ、私のスーツのジャケットを…さ、差し上げますので…」
男はきょとんとした。
「どこを見ていいのかわからない?なぜ?」
人間がまた涙目になった。
男は焦った。
「ど、ど、どう、どうすればよい」
「着てください!」
「?」
「もういや!」
人間がまた泣いてしまった。




