表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/129

6.進化先は

うう~ん。


俺は意識を取り戻し、ゆっくりと身を起こす。

そして視線を巡らせ、現状確認を行った。


周囲は開けていて、アビスポーン達の姿は目視、マップの両方で確認出来ない。次に自分の傍を見る。

数多の色に輝く透き通った水晶で出来た大樹。

今俺はその根本に居た。


俺が次に目覚めた時は、てっきりアビスポーン達に捕まっているか、捕食されてしまっていると思っていたが、どうやら何かしらの別口に捕まったか、助けられたようだ。


今度はアビスポーン以外の存在を捜してみる。

すると、マップ上では自分の傍にモンスターの反応があった。


俺は視線を大樹に向け、ステータス情報確認を要請した。



【エレメンタル:ターミナル】


Level:300

HP:1500000/1500000

MP:4800000/4800000


[成長][HP自動回復][MP自動回復][端末生成][共生][ステータス貸与][情報共有][地脈門]etc.


【地脈に根を張り、その地域の情報収集及び、調整を行う世界端末の一つ。基本的にはこの世界の人類種、異世界の存在と敵対しているが、■■■■■の眷属やモンスター型の転生プレイヤーには友好的】



・・・なんだこれ。なんだよこのステータス!?

Level:300のHP百万オーバー!!

どんな化け物モンスターだ!

しかも、MPはその三倍以上な上、回復系の通常スキルも完備!

誰が倒せるんだよ、こんなモンスター!!



はぁっ、はぁっ、はぁっ。


内心叫びまくって、少しは落ち着いた。

冷静な目で一口メモの部分をもう一度読んでみる。


その結果、このエレメンタル:ターミナルとやらの馬鹿げたステータスと、自分が現在五体満足で生きていられる理由が理解出来た。


こいつの壊れ性能の理由は、世界の端末だから。

俺が殺されなかったのは、俺が転生プレイヤーだったから。


アビスのような理解不能な相手よりも、少なくとも背景が理解出来るエレメンタル相手には、不安を覚えずにすむので気が楽だ。


今まで緊張していたせいか、一気にだれた。


そのまま全身を大樹に預ける。

そして、しばらくぼけーっと、した。



それからは何の問題も発生せず、ゆっくりと時間が流れていった。



そろそろ現状把握を始めるか。


ステータス情報の確認を申請。


【受諾。ステータスを表示します】


プレイヤー名:未登録

種族:トリプルヘッドスネーク

Level:16/16

HP :115/115

MP :100/100

SP :69

【攻撃】53

【防御】63

【魔力】55

【敏捷】105

【精神】119

【運】まあまあ

【属性】水・毒・氷


【特殊能力】

[ゲームプレイヤー:Level2]

[生物進化の道:Level2]


【耐性】

[水中適応][空中適応][空間適応][毒耐性:Level1][打撃耐性:Level2][出血耐性:Level1][失血耐性:Level1][精神耐性:Level1][気絶耐性:Level1][落下耐性:Level1][氷雪耐性:Level1][寒冷耐性:Level2][ドレイン耐性:Level1][寄生耐性:1]


【通常スキル】

[毒生成:Level1][熱感知:Level1][脱皮:Level1][吸血][流血][重力:Level2][冷気:Level2][連続攻撃:3][並列思考:3][多重起動:3]


【称号】

[転生プレイヤー][■■■■■■■]


【祝福・加護】

[■■■■■■■]


【経験値】6280

次のLevelまで0



うーん、ステータスの伸びはそこそこだな。

まあ、上限が16ならこんなものか。

あとはちょいちょい耐性や通常スキルのLevelが上がっているな。

この辺りは順当だな。使ったやつが普通に上がっているし。

けど、せっかくSP交換で獲得したドレイン耐性と寄生耐性は、エレメンタルに助けられて無駄になったな。

まあ、上限Levelに到達しているから今から進化するつもりなんだし、あの謎称号か祝福の効果で何かのスキルになってくれるなら、まったくの無駄というわけでもないか。

それに、これからもアビスと遭遇する可能性はある。

先行投資だと思っておこう。


さて、現状把握はこんなものか?

なら、次は二回目の進化だ。

進化先の表示を頼む!


【受諾。進化先を表示します】


【ハイポイズンスネーク】


【クアトロヘッドスネーク】

四つの頭を持つ蛇。身体も肥大化し、巻き付いた相手の身体を容易にへし折れる。


【ブリザードスネーク】

雪原に生息している氷属性の蛇。

口から猛烈な吹雪を吐き出し、獲物を瞬く間に凍り付かせる。


【グラビトンスネーク】

重力子を自在に操る蛇。

自由に空を浮遊し、獲物を高重力の鉄槌で一撃の下に粉砕する。



【ウ゛ァンパイアモドキスネーク】


夜行性の、吸血鬼に類似した特徴を持った闇属性の蛇。

獲物を惑わせ、その血を啜る。

水属性を持っている場合、限定的な霧化も可能。



クアトロヘッドスネーク以外の進化先は、最近使った通常スキルの[毒生成][冷気][重力][吸血]がそれぞれ影響してそうだな。

まあ、クアトロヘッドスネークの方も、謎称号と祝福が影響している可能性があるが。

なんせ、頭の数を増やすと追加で頭を増やすようなやつだしな。


・・・せっかくだから、他の部位も増えるか試してみるか。


俺はアビスポーン達にボール扱いされた時のことを思い出し、腕が欲しいと思った。

しかし、進化先は全部蛇型。

手も足も無い。

なら、SP交換で手に入れれば良い。


そして、その腕も増えるのか確認する。別に増えなくても、一本あれば便利だし、損にはならない。


早速交換だ。

SP交換発動を申請。


【受諾。腕のリストを表示します】


[現在交換可能な腕]

・各種族の腕:各10SP

それぞれの種族の腕。


・蔓腕:10SP

蔓を束ねた植物性の腕。破壊されても自力で再生が可能。


・触腕:10SP

触手を束ねた筋肉質な腕。力が強い。


・義腕:10SP

人の腕を模した金属製の腕。定期的なメンテナンスが必要。


・魔力腕:15SP

魔力を腕の形にする通常スキル。形状・長さ・強度・属性などは、使用者の魔力に依存する。


・浮遊腕:15SP

本体から離れて活動する腕。別名幽霊腕。



ふむ。必要なポイントはどれも問題無しっと。


ただ、実際のビジュアルなんかも加味すると、魔力腕と浮遊腕の二択か?

各種族の腕だとキメラっぽくなりそうだし、蔓腕や触腕は見た目的にどうかと思う。蛇から伸びる蔓や触手。

・・・ないな。

義腕は少し心惹かれるが、メンテナンスなんてこんな森の中では出来ないし、今はないな。


そうなると、やっぱり利便性も考慮して、魔力腕と浮遊腕だな。


どちらが良いか?

いや、ポイント的には両方取れるから、悩む必要はないか。


なら、魔力腕と浮遊腕の二つを交換で。


【了承。30SPで交換します】


そう表示された後、俺の中から三つの光が身体の外に飛び出し、代わりに虚空に出現した二つの光が俺の中に入って来た。

外に出た光はやがて大気に溶けて消え、今度は俺の中から一対の腕が飛び出して俺の傍に浮遊した。


俺の傍に浮遊している腕の見た目は、生ものではなく人形のものか、マジックハンドの系統だ。

つまりは無機質な感じ。

まあ、これは浮遊腕だろうから、別名幽霊腕なのに生もの的ならおかしい話か。


俺は前世の感覚で浮遊腕に意識を向けてみる。

すると、浮遊腕があっちこっちに動く。

最初は人体の可動範囲で動作を確認し、だんだんと距離を離してみる。

その結果、視界の範囲内なら自由に動かせることがわかった。

はっきり言って、人の腕よりもかなり便利そうだ。

あとは、この腕も進化で増えるのか確かめよう。


さて、どれに進化するかな?

・・・いや、頭を増やさないと効果を発揮しないんだから、クアトロヘッドスネーク一択か。


本当は、ブリザード、グラビトン、ウ゛ァンパイアモドキの三つにも興味があるんだけどなぁ。

だけど、並列思考や多重起動なんかはかなり便利だし、新しい属性も増える。

クアトロヘッドの方がかなりお手軽かつ、全体的な強化になるんだよなぁ。


今はクアトロヘッドスネークでいこう。

他の三つは、選択肢として次回も残ることだし。


【クアトロヘッドスネークに進化しますか?YES/NO】


YESで!


【一つ目の進化が確定しました】


一つ目?


【■■■■■の効果により、頭をそれぞれ個別に進化させられます。現在の頭の数は三つ。後二つまで進化先を選択出来ます】


後二つ。そんな効果もあったのか。


なら、後二つはどれにするかな?


・・・良し!今回はグラビトンとウ゛ァンパイアモドキでいこう!


【それではクアトロヘッドスネーク、グラビトンスネーク、ウ゛ァンパイアモドキスネークに進化します。よろしいですか?YES/NO】


YESで。


【了承。これより[プレイヤー名:未登録]の進化を開始します】


そうメッセージが流れると、また俺の全身が発光を始め、俺の意識はまどろみに沈んでいった。


【対象の進化準備完了】

【称号[■■■■■]及び、祝福[■■■■■]の効果を起動】

【肉体の分解・再構築開始】



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ