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40.新たな眷属達

さて、そろそろ実際に行動させてみるか。

『そうですね』


現在俺の周囲には、進化したエレメンタル達の姿が十種類近くあった。

進化自体は問題無く成功。

後の問題は、彼らが今の戦闘で役に立つのかどうかにある。


だがそれは、動かしてみなければわからないことか。


『行け』


俺は早速、進化したエレメンタル達に攻撃を命じた。

最初に動いたのは、エレメンタルミサイルの性能アップ盤である、エレメンタルミサイル改達だ。

名前はただたんに、思いつかなかった。

今度の進化先では、もう少しまともに名前を考えようと思う。


ミサイル改型は、エレメンタルミサイルをさらに敏捷特化にし、[自爆]の時の威力確保の為にHP・MPの成長率を向上させたモンスターだ。見た目は相変わらずのミサイル型。運用方法も、エレメンタルミサイルと同様である。


改型は空中を高速で飛翔し、イービルアイ達に特攻していった。

当然イービルアイ達は迎撃するわけだが、改型はその攻撃を簡単に回避し、イービルアイ達の密集地点で自爆した。

再び極彩色の爆発が起き、エレメンタルミサイル時代の倍近い範囲にいるイービルアイ達に、大きなダメージを与えることに成功した。


どうやら改型は成功のようだ。

やはり、正統派の長所を伸ばす設計にしたのがよかったのだろう。


次に動いたのは、ミサイル繋がりのエレメンタルポット達だ。

これの見た目というか原型は、そのままミサイルポットである。

敵のデーモンアイとイービルアイの関係を参考に、エレメンタルミサイルの性能を強化するのではなく、エレメンタルミサイルの数を増やすモンスターとして設計した。


与えた能力はシンプルなもので、限定的なユニット作成能力だ。

まずはエレメンタルポットが能力を使用して、エレメンタルミサイルの核を形成する。その後MPを随時消費し、エレメンタルミサイルのユニット設計データを元に、エレメンタルミサイルを製造するというわけだ。

後はそのエレメンタルミサイルを発射するだけである。

エレメンタルポットは、随時魔力を消費する為あまり効率的にエレメンタルミサイルを量産は出来ない。だが、製造したエレメンタルミサイルが敵を倒すと、エレメンタルポットにも経験値が入る。

次の進化で効率化をはかれば良いだろう。

次の進化に繋げる為の腰掛けというわけだ。


エレメンタルポットから無数のエレメンタルミサイルが発射され、次々とイービルアイ達を吹き飛ばしていった。


今度進化させる時には、発射する時にエレメンタルミサイルを加速させたり、威力を一時的に強化出来る能力を持たせてみると、より使いやすくなりそうな感じだと、今の戦果を見てそう思った。



次に動いたのは、エレメンタルジェットとエレメンタルタンク。

この二つは兵器繋がりで、見た目もまんまジェット機と戦車だ。


エレメンタルミサイルを強化するというよりは、兵器的な連想で設計したモンスター達だ。


エレメンタルジェットが空を裂き、エレメンタルタンクがイービルアイ達を狙い撃ちしていく。


この二種類は、エレメンタルミサイルを完全に兵器化したという感じで、ただのお試し設計だ。

なんせ、通常戦車やジェット機がミサイルとセットな理由は、ミサイルの射程距離なんかにある。

しかし、エレメンタルミサイルにはHPはあっても体力は無い。

それゆえに、疲労等のエネルギー切れで墜落することもなければ、射程距離に制限もない。

だから本来なら、エレメンタルミサイルを大型の兵器に進化させても、今のところ目立ったメリットはとくにない。

だからこれは、次の進化までの繋ぎ。進化の多様化の為の、お試し設計である。

だけど出来ればさらに大型に進化させて、アニメや特撮系の巨大機械兵器にしてみるのも、それはそれでありかもしれない。


怪物戦車に大型ジェット機。巨大空母に移動要塞。空中要塞や軍事衛星なんかに進化させるのもありだろう。

これに変形ロボット等を加えると、さらに夢が広がるな。

『世界観をぶち壊してますけどね』

それは言わないでくれ。


次に動いたのは、見た目はエレメンタルミサイルのままの、エレメンタルガンナーだ。

エレメンタルガンナーは、どちらかといえばエレメンタルポーンの方の戦い方を踏襲しているモンスターだ。

エレメンタルミサイルのように空中を高速移動し、エレメンタルポーンのように[火弾]系統の遠距離攻撃を連射して戦う。

敏捷特化で攻撃の威力はたいしてないが、そこは[MP自動回復]で弾切れ無しの状態にし、攻撃回数で相手を圧倒するというわけだ。


エレメンタルガンナーは空を縦横無尽に飛び回り、イービルアイ達を全方位からたこ殴りにしていく。

やはり相手に与えるダメージレベルは低いが、イービルアイ達の攻撃を中断させたり、気を逸らすには十分のようだ。

牽制役としては、申し分がないと言えるだろう。



さて、今回動いたのはここまで。後に残ったのは、地上戦型の連中だ。

彼らに関しては、別の戦場で試すことにしよう。



次は俺が動いてみよう。

『何をするつもりなんですか?』

いや、新しく得た[魔素糸]を試してみようかと思ってな。

幸い、今はエレメンタルミサイル達が進化したことが好をせいして、戦況は俺達の側が有利だ。

今なら多少エレメンタルミサイル達の増産が遅れても、現存の戦力で戦況は維持出来る。

なら、余った頭で新しい能力に馴れておこうと思ってな。

『なるほど、それは良いですね。[魔素糸]は便利な能力ですから、扱いに馴れておくにこしたことはありませんし』


貴女としても問題は無いみたいだな。

なら早速、試行を初めよう。

『はい』


俺は特殊能力の[魔素糸]に意識を向ける。すると、俺の中から無数の【糸】が周囲に伸び出した。

【糸】はどんどん周囲に拡散していき、それに合わせて俺の知覚も広がっていった。

今では、戦闘しているこの空間で起こっている全てが把握出来ていると感じ程の情報量を俺は認識している。

『魔素を媒介に、貴方の意識が拡張された結果です。今度は、今糸が繋がっている魔素に何か念じてみてください。イメージに問題が無ければ、それが現実に反映されます』

わかった。


俺は彼女に言われたとおり、あることを念じてみる。

イメージした内容は、先程の具体例にあった糸による攻撃だ。


ドクン!


『「『「!?」』」』


俺が念じた直後、俺が現在認識している空間全体が一瞬脈打った。

それは俺以外にも感じられたようで、この場所にいた誰もが戦闘を一時中断し、自分の周囲を確認していた。

だが、すぐにそんな場合ではなくなることになった。


イービルアイ達を中心に無数の糸が出現し、それが互いに干渉せずにイービルアイ達に襲い掛かりだしたからだ。


全方位から襲い掛かるギロチンのような糸の群れ。

全方位を包囲されているイービルアイ達に逃げ道は当然なく、現在召喚されていたイービルアイとデーモンアイ達は、瞬く間に細切れとなり、ブロック状の肉塊が【沼】に降り注いでいった。


『「『「・・・」』」』


その凄惨な光景に、誰もが何も言えずに沈黙することとなった。


かくいう俺も、その圧倒的な戦果に言葉がなかった。

自分としては、ただ[魔素糸]を少し試してみようという軽い気持ちだったのだ。

しかし、その結果は血と肉塊の雨。


ちょっと認めたくない現実だ。

『生憎ですが、それでも現実は変わりませんよ』


彼女の言いたいことはわかるが、それでも認めたくないことはある。

これは断然それだ。



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